野鳥狩りと解体の体験会に行って来ました
こんばんは。いきなりですが、正月が幕を閉じました。これから年末までは正しくない月々が始まります。
我々で正して行くしかないのだと思われます。
皆さんは獲ってますか?野鳥。
ええ、獲ってないですよね。
かく言う私も獲ってないです。
昨年、甲殻類、虫類、貝類、魚類、爬虫類(亀)の屠殺、解体、調理までは自力でやって参りましたので、今年1発目は鳥類をやってみようと言う事になりました。
とは言え、今までやって来た動植物と違い、鳥類、哺乳類は途端に法律が厳しくなり、無資格者が好き勝手気ままに獲ると罰せられてしまいます。
なので餅は餅屋に。今回は野鳥捕獲の体験会に参加して、プロの方に直接イロハを教えて貰いに行って来た次第です。
※例によって解体途中の強めの画像が出て参りますので、見たくない方はこのままそっとブラウザを閉じておくんさい。
さて、とにかく素人の参入障壁が高い狩猟の世界ですが、今はハンターのグループの方々が参入障壁を少しでも低くする為に、自主的に入門者向けのセミナー、体験・見学ツアーなどを有料で開催されているのです。
その数は決して多くはないですが、ネットで探すと関東地方でも数団体が開催しております。
とは言え、関東地方の猟期は毎年11/15〜2/15の僅か3ヶ月間。しかも開催回数は、隔週と決して多くはない。
此処を逃すとまた翌シーズンに持ち越しになってしまうので、若干急ぎめで参加をして来たと言う訳なのです。
そして、やって参りましたのは神奈川県 丹沢山塊麓にある、みかん園🍊
狩猟マップで見ると、こちらのエリアは鳥獣保護区外となってはおりますが、私有地である為、好き勝手に獲物を追い回して良いと言うわけではないのです。
今回の主催グループの方々は、みかん園の農場主の方と、みかんを食い散らかす害鳥を駆除すると言う約束で、敷地内での狩りの許可を頂いているとの事です。
その為、このみかん園内での狩猟には猟銃として一般的な散弾銃やライフルではなく、エアライフル、いわゆる空気銃を使用しているとの事です。
殺傷能力や貫通力はライフルより当然劣るし、散弾銃のように球が飛び散るわけでもありませんが、火薬を使わないため発砲音がとても小さく、一度発砲したぐらいでは他の鳥達まで逃げだすような事がないと言うメリットがあります。
みかん園の保護という意味では、うってつけな銃ですね。(散弾銃では下手したらみかんが穴だらけになります🕳 🕳 🕳 🕳 )
このエアライフルも勿論、猟銃の免許を持っていないと所持出来ない決まりとなっています。
さて、今回の主なターゲットになるのは、ヒヨドリ。都市部でも一般的に見られる野鳥です。
ヒヨドリの鳴き声~早朝の鳴き声~Brown-eared Bulbul
ヒヨドリが集まり易い木と言うのが敷地内に何箇所かあるため、それらを回って、ポイントを決めたら飛んで来るまで兎に角待ち続けると言うのが、ヒヨドリを撃つ時のスタイル。
なんとなく、堤防の釣りに似ています。針を垂らしたらひたすら待つ。みたいな感じですね🎣
なので、1日に獲れる頭数も多くなく、獲れても数匹ぐらいと言うのが普通であるようです。
歩き回って追っかけ回して散弾銃で一網打尽と言う訳ではない、根気のいる猟です。
と言うような説明を受けつつ園内を移動し、最初のポイントへ到着。
ヒヨドリを待つ事およそ15分...
「あ、来ましたね。」
とハンターさんが声を出すと同時に、エアライフルの銃口をヒヨドリへと向け、発砲。その距離およそ30m。
一発必中です。
獲物を見つけてから、発砲までの動作が滑らか過ぎて目で追い切れませんでした。
小さな発砲音の後、枝の上から崩れ落ちるヒヨドリ。その後、参加者全員で落ちたヒヨドリを探します。
探す時の手間もあるため、なるべく下が藪になっていない木で撃ち落とすのが良いと言われました。
下手したら、せっかく撃ったのに、藪のせいで見つけられなくて、徒労で終わる事もあるようです。
なかなか奥が深い...
その後は解体の実習の為に水場へ移動。
此処からは、我々参加者も教えて貰いながら実際にやって行きます。
こちらが解体セット一覧
野生の動物を解体する時は、手袋をして、極力臓器や血に直接触れないように心掛けます。
それではやって行きましょう。
まずは羽毛を全てむしり取る作業。
↑この穴の中に、羽毛や頭部、食べない臓器などを捨てて埋めてしまいます。
羽毛は大量に一気に引き抜くと、旨味の部分である皮下脂肪も一緒に取り除かれてしまうとの事なので、少量ずつ優しくむしり取ります。
むしり取りました。
羽毛部分で大きく見えがちですが、実際の胴体部分は割と小さいです。
この後、頭部をハサミで切断。
残しておいた尾の部分を手で持ち、ガスバーナーで残りの毛を焼き払います。
ファイアー🔥
尾の部分を切り取ったら、鳩尾の辺りから撫でるようにしてナイフを入れ、腹腔に切り込んで行きます。
その後、胸骨の中心部を縦にハサミで首元まで切り、鎖骨を左右それぞれ切断し、開胸します。
中には臓器が一通り入っており、これらを全て取り出します。今回は心臓と砂肝を食べてみることに。
レバーも食べられるのですが、臭いがやや強めらしく、今回は見送りに。濃ゆい味付けにするのが良いみたいです。
暴かれた世界
このサイズの野鳥は、基本的に骨も含めて全て噛み砕いて食べてしまうようです。
骨と切り分ける程には肉ないですしね。
そして良い感じに切り分けられて行くヒヨドリ㌠ 。
その後、今回は主催者の方の手によって、塩胡椒とバジルを少々のみで味付けをされて焼かれました。主催者曰く、ハンターの家庭料理との事です。
小さいながら意外と脂が乗っていて、噛むほどに鳥の味が染み出して来てなかなか旨いです。ビールが欲しい...
+鹿肉入りのカレー。これもハンターの家庭料理との事。
鹿肉もやはり、噛むほどにジンワリと味が出て来ますね。少し血の臭いがしますが、殆ど気にならない程度のもの。
山の恵みに圧倒的な感謝。尊い👏👏👏
と言う事で、舌と腹でヒヨドリについての見識を深めた後、午後は狩猟を行えるようになる為に踏まなければならない行程、狩猟者の人口の推移、害獣の損害額等、狩猟を取り巻く環境全般についての話を伺いました。
一通り話を聞いた要点としては
・免許を取るまでに平日に最低1度は警察署に行かなければならない
・銃の所有許可については、身辺調査が入る為、家族や職場にもバレる可能性がある
・税金も含めて、ランニングコストは結構高い
・狩猟免許を取ったからと言って何処でもいつでも獲れるわけではない。私有地での狩りは地主の許可が当然必要になる。
・皆、何かしらの狩猟グループに参加して、狩場の確保等を行なっている。
などがありました。これは一般的なサラリーマンの参入障壁は結構高いと思われます。
とは言え、何処に行って何をすれば良いか?と言う積年の疑問が、だいぶ己の中で明確になったので、とても参考になる話でした。
今後、機が熟した時には私も狩猟免許獲得の為に動き出すかもしれません。
その後、実弾の射撃練習場の見学もさせて貰ったのですが、なかなかな銃声の大きさでした。
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実際に野山で発砲した時は周囲の木々が音を吸収する為、此処まで大きな音にはならないとの事ですが、初めて聞いた身としてはかなり驚きます。
と言うような感じで、捕獲、解体、狩猟についての知識を半日使って学んで参りました。かなりの情報量で、とても充実しておりました。企画された狩猟グループの方々に感謝。貴重な機会でした。尊い👏👏
と言う事で、私の現時点での諸々の感想としましては、
・ヒヨドリは旨い
・ヒヨドリはスッポンより捌きやすい
・自力で獲れるようになるには参入障壁が結構高い
・とは言え、自力で獲れるようになったらかなり面白いし奥深い
・ニホンザルは旨いらしい。とても気になる。
と言うような所です。今後隙あらばやってみたい事の1つとして押さえておきましょう。
今後は街中でヒヨドリが鳴いていたら、「食糧が鳴いてる!獲れない!悔しい!獲りたい!」と思うようになる姿が容易に目に浮かびます。
それではまた次回(。´・ω・)。´_ _))