山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

スッポン2

先月スッポンを捌き、感覚を忘れる前にもう一度やっておきたいと思っていた所、捌きたいと言う御仁が早速現れました。

 

混迷深める激動の時代において、持つべきものは、スッポンを捌きたいが為に割り勘に応じてくれる友人である事を再確認致しました。

 

と言う事で今回のスッポン君(♂)です。

前回よりもスケールアップして重量1.3kg。

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わーい大きーい🐢🐢🐢

 

 

何見てんだあ〝あ〝ん?!

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これをやって行くわけです。

 

(※今回も解体途中の画像がありますので見たくない方はブラウザをそっと閉じて下さい)

 

前回の反省点をおさらいしてみましょう。

 

・首を捕まえて斬るのに一苦労

・甲羅を剥がせない

・内臓を切り分ける際に膜が邪魔をする

・膀胱が見つからない

・手足の骨と肉を切り分け辛い

 

と言う事で最初の関門である首斬りの為に用意した装備がこちら。

 

 

 

 

フィッシュグリップです。

 

このヒント(と言うかほぼ正解)を頂いたのは、ご存知、野食界の草分け的サイト『ざざむし。』のカミツキガメの項です。

カミツキガメ解体編~尋常でなかった「精がつきそう感」 | ざざむし。

以前に読んでいて、首を斬る際にフィッシュグリップを使っていたのを思い出し、安価な方を購入。

 

これで頭引っ張り出せば、素手で捕まえるより楽なのではないかと思いました。

 

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結果、楽です。超楽。より首を出し辛い他の亀類(ミドリガメカミツキガメetc)にも応用を利かせられるはずなので今後も使って行こうと思いました。

 

とは言え、カミツキガメのようなゴツい亀になると、安価な方では容易に折られてしまいそうな気もします。

その辺は実際にカミツキガメを捌く様になったら考えましょう。

取り敢えずスッポンは、安価な方で充分でした。

 

 

首にゅー

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 ポイントとしては、首を斬る際は中途半端な箇所ではなく、首の思いっきり根本を斬ることです。

 

首と胴体の途中部分は硬過ぎて、15㎝の出刃ではなかなか斬り落とせないです。

  

・首を捕まえて斬るのに一苦労 →💮(理想的)

 

まず最初の関門は難無く突破。

前回よりもスムーズに血を集められます。 

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今回はゲストとして採集活動の同志である風来組 組長が捌きを買って出ました。

 

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甲羅に沿って出刃庖丁を円形に回し入れて、剥がす所はやはり今回も少し手こずりました。

数打つしか無さそうです。

 

庖丁を甲羅に沿って入れた後、背骨と本体を分離させるポイントが地味に探し当て辛いので、此処は要改善。

 

魚の三枚おろしもそうですが、背骨からの分離点について初心者はいつも迷います。

 

・甲羅を剥がせない →△(要改善)

 

とは言え、細かく庖丁を入れ続けて甲羅を剥がすのに成功しました。

次は内臓の取り出しです。

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これについては今回、金切り鋏✂️を中心として解体に臨みました。邪道かもしれませんが、庖丁で膜を切り取り辛い所は容赦無くハサミでチョキチョキしちゃいます。此処も比較的に楽に攻略。

 

・内臓を切り分ける際に膜が邪魔をする →◎(及第点)

 

さて、亀類を捌く時に絶対に破ってはならない、最重要臓器である肝心の膀胱なのですが、今回も探せど探せど見つける事が出来ませんでした。

 

ホントに何処にあるんだ...

 

仮説として、養殖のスッポンについては、すぐ食べられるように水分を抜いた状態で店に出されているのかもしれないし、たまたま2回とも排尿し尽くしたスッポンに当たったのかもしれないです。

 

結果として食べる際に臭いは気にならなかったので今回も結果オーライとします。

 

・膀胱が見つからない →△(要改善)

 

さて、一通り内臓を取り分け終わったら、次は四肢の切断と、肉の切り分けですね。

 

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これについては、現時点での己のレベル感では、無理して手足の骨を分断しなくて良い気もしております。

 

一匹では唐揚げと鍋、両方にするほど十分に肉が取れないので、基本的に全部鍋要員としました。2匹以上手に入った際には、肉は肉で、唐揚げや炒め物にも使って行こうと思います。

 

無理に骨と分離させようとしなければ、手足の切断だけなら割と簡単に出来ます。火を通せば身離れは良くなるので、食べる際に骨はあまりストレスには感じないです。

 

・手足の骨と肉を切り分け辛い →◯(無理してやらなくても良い)

 

と、諸々前回の経験を踏まえて切り出し終わり、1度目は例によって茹でこぼします。

甲羅も出汁要員として、一緒に鍋へ。

 

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血とアクDAWN.

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沸騰したらザルにあけ、水洗いして汚れを落とした後、再度、酒と生姜とネギと出汁用昆布を入れて水から煮ます。

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昆布は沸騰直前に取り出し、後は2時間ほどアクを掬いながらひたすら煮ます。

 

その間に、豆腐を切り、ネギの白い所は焦げ目が付くまで素焼きにします。

 

2時間経過後、甲羅とネギの青い部分を取り出し、切り分けた豆腐と素焼きしたネギを入れ、醤油を入れて一煮立ちさせたら完成。

 

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うむ。茶色い。ナイスブラウン👏👏

 

相変わらず旨いですよ。旨い。滋味深い。

 

今回、レバーは割と良いサイズだった為、別にして軽く炙って塩と胡麻油で頂きました。

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これまた旨い!鶏のレバー等々と比べて、レバーの臭いが少なめな分、コクにメーターを振り切っていて、口に入れると後からズンズン旨味が広がって行きます。

 

これもスッポンならではの味わい。尊い。1匹から量が取れないのが悔やまれます。

 

さて、一通り食べ終えたら、お約束、雑炊をやって行きましょう。

 

白飯DONE.

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卵 それは 生命の源。

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そして伝説へ...

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炙りレバーと雑炊で、またしても居合わせたメンバー全員が涅槃へと到達し、 セピア色だった世界に彩りが齎されて行きました🌳

 

スッポンは鍋本体も当然旨いのですが、間違い無く雑炊までやって完成する料理だと思います。旨味の含有量が尋常ではありません。

 

スッポンのスッポン自身♂については、今回は私が頂きました。弾力のある何かでした♂

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ご馳走様でした。

 

 こうして、2回目にして、よりスッポンに対して理解を得る事が出来た次第です。

今後は、ある程度の量が手に入れば、肉の唐揚げや血の炒め物方面も試して行きたいと思っております。

 

スッポンを使った他の調理法と、他の亀類の捕獲・解体は今年の課題と致します。

 

スッポンは、日本では捕獲規制には指定されていないものの、レッドデータに載ってしまっている為、マナー的に獲って良いものかどうか非常に微妙な所ではあります。

 

日本のレッドデータ検索システム

 

それでしたら、外来種で生息域を拡大させ続けているミドリガメを獲りまくった方が環境負荷もかからないし、良いのかなとは思っております。

 

引き続き、亀 is 旨いを実践して行きますので捕獲も含めてやりたい方、募集致します。

 

亀の捕獲、調理解体で忘れられない夏にしましょう。2018 SUMMER。

 

全部、亀のせい。

 

答えは、亀に聞け。

 

 

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