山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

カミツキガメ獲りに行ったら鯉を貰った話〜調理編

こんばんは🌃

前回カミツキガメ獲りに行った際、おすそ分けして頂いた印旛沼水系の鯉をf:id:u_f_y:20180519212436j:image

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やって行こうと思います。

現地で速やかに血抜きとワタ抜きはしている状態で、氷で冷やしながら持ち帰って来たので、臭みと鮮度落ちについては考えられ得る限り最小限に抑えられている状態です。

 

ご存知の通り印旛沼水系、お世辞にも綺麗とは言えない水質。

この状態のものを調理して美味しく食べられれば、中流下流域の鯉も今後は食材として狙う対象になり得ると考えた次第です。何故なら鯉も買うと高級食材なので。

 

それではやって行きましょう。

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印旛沼水系の優しいかほりがします( ͡° ͜ʖ ͡°)

 

まずは水で表面を洗い、鱗を剥がしましょう。

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鱗も流石の大きさ。綺麗な河川や養殖の鯉ならば、この鱗も揚げたりして食べるのですが、そこはやはり印旛沼産。臭みは鱗と皮に集中し易い言わている為、今回は見送ります。

 

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鱗取りはお馴染み、ベルモントのハイパー鱗取り(大)

 

以前に真鯛の鱗取りの為に購入したものが役に立ちました。大型魚の鱗もサクサク取れて超快適です。

 

ベルモント(Belmont) ハイパーうろこ取り MP088

ベルモント(Belmont) ハイパーうろこ取り MP088

 

余談ですが、初めて真鯛をおろした際に、ペットボトルのキャップで鱗を取る方法を試したら、エッッッッライ時間がかかった為に購入しました。高いものでもないので、魚を捌く可能性が少しでもある人ならば、買っておいて損は無いですね。

 

鯉を捌く際は、背開きにするのが一般的な様ですが、今回は腹から開いています。内臓を取り出す際に、背開きの方が臭味苦味の元になる苦玉等を潰す危険性が低いからと思われます。

 

基本通りの三枚おろしにしました。見た目が悪いのはご容赦くだせえ。

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さて、通常鯉こくや旨煮をやる時は、皮や、ひいては鱗すら付けたままで調理するのが普通の様ですが、今回は臭いの元を徹底的に取り去って調理するのが第一の目的なので、皮も剥ぎ取ります。

 

皮剥ぎ、以前に真鯛でやった時に超絶大失敗をして、途中で諦めて湯霜造りにして食べた苦い思い出が脳裏をよぎります。真鯛は湯霜で美味しく頂けるので何ら問題はないのです。

しかし、印旛沼水系の鯉で湯霜造りにする訳には行きませんからね...皮剥ぎをやるしかありません。

 

心優しいフォロワーの方々やネットの解説動画等々、あらゆるメディアを参考にしつつ、思い切って、身の端の方は多めに切り込みを入れ、左手で皮をしっかり持ちながら、慎重に且つ大胆に包丁の角度を調整しながら引っ張って行きます。

 

 

な、なんとか形になりました...安物の三徳包丁の限界を感じました...(´・ω・`)

 

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さて、鯉の身には強烈に小骨が隠されている為、骨切りをやって行きます。

ふむふむ

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さらに細かく一口サイズに切り揃えます。実験用に皮付きのものも用意。

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これを酒と醤油を合わせたものに10〜15分程漬け込み

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水気を切って小麦粉を良くまぶします。

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170℃〜ぐらいのやや低めの温度でじっくりと揚げて行きましょう。

 

フライヤー!!🔥🔥

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同時に大根おろし

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長ネギを刻んでおきましょう

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油を切ったら盛り付けて竜田揚げの完成。

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さて実食と参りましょう。

 

 

うーーーーーーーーまい!懸念された臭みはほぼ無し!フワッフワの良く出来た白身魚のフライですね。

これはビール案件です。ネギと大根おろしが良い仕事してます。

皮ごと揚げた部分も臭みは感じられないので、この調理法は1つの正解でしょう。

 

さて、立て続けにやって行きましょう。

同じく皮を剥いで骨切りした身を、塩胡椒、オレガノ、小麦粉をまぶして、

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揚げます

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揚げた身は後で合流させるとして、油を切っておきます

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微塵切りにした玉ねぎとニンニクを炒め

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さらに小麦粉を加えて炒めた後、トマトの水煮缶を加えます。

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白ワイン追加

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コンソメスープ追加

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塩胡椒、ベイリーフクローブ、バジル追加

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その間にナスとピーマンを炒め

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火を通したら合わせます

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煮込んだ後、ここで漸く揚げた鯉が合流

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最後に黒オリーブを合わせたら、トマト煮の出来上がり

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実食。

 

な、なるほどー!このトマト煮、元のレシピを忠実に再現してみたのですが、鯉の身に先ほどの竜田揚げでは感じられなかった臭みを少し感じました。

多分これは、酒に漬けなかったところによるものが大きいです。

先ほどの竜田揚げとの工程の違いはそこぐらいしかないので。

 

と言うことから、中流下流域の鯉の処理として、酒に漬けると言うのは、かなり重要なメソッドである事が分かりました。

恐らく元のレシピは、養殖の綺麗な鯉を想定して書かれていたのでしょう。それなら、酒に漬ける工程を無視しても充分に旨く仕上がるはずなので。

 

後は、骨切りが足りなかったのか、小骨と言うには大きい骨が、舌に触りました。骨抜きと骨切りをより細かくやる事でこの辺りは改善できるかと思います。

 

この2点をクリアできれば、トマト煮も普通に美味しい白身魚の煮込み料理として頂けそうです。

トマトやスパイスと合わせた煮込みでは、鯉の身そのものの臭いまでは誤魔化せないと言う事が分かりました。なんとも学びが多かったです📖

 

諸々の学びを踏まえた上で、仕切り直しましょう。

大量に出たアラの部分を使ってアラ汁を作ってみようと思います。

 

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ぶつ切りにしたアラを良〜〜〜く水洗いしたら、酒と塩少々に10分以上漬け込みます。

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取り出して水気を良く切りましょう。

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ロースターにかけて

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15分程焼いて水分を飛ばします。

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15分後の未来。

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ダメ押しでこの後熱湯をかけました。

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鍋に昆布を入れて沸騰直前に取り出します。

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この後は酒を大量に入れて、水も加えつつ、ひたすら弱火で煮出して行きます。

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生姜も入れちゃいましょう。時おり出るアクは丁寧に取り除きます。水が少なくなったら足しつつ。

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1.5時間後の未来に、人類と焼いた鯉が辿り着きました。そこにあったのは希望か、それとも...

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具材を刻みます。今回はネギと大根を使用。

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具材を投入。ちなみにこの具材は過去から来たものです。この世界線では鯉と交じりました。

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大根に火が通った所で味噌を溶きます。

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アラ汁の完成。

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これだけ手をかけたのだから、頼む、旨くあってくれ...

 

・・・

 

 

・・・・・

 

 

う、旨え...(⋈◍>◡<◍)!

 

臭いは流石に無し。全く無し。

 

スッポンの様な派手さはないものの、鯉の控え目でありながら奥行きのある良い出汁が出ています。正に滋味深いと言う表現がぴったりです。

 

アラにくっついた身や皮目をこそげ落としながら食べつつ、お汁を飲み干します。

 

これだけ臭み無く旨味を引き出せるのなら、いっそのこと味噌ではなく醤油仕立てにして、具も生姜とネギぐらいにした方が、より鯉の旨味を感じ取る事が出来るかもしれませんね。

 

ちなみに余った分を冷蔵庫に入れておいたら、翌朝、器を傾けてもお汁が溢れないくらいに固まっていました。鯉のコラーゲンがたっぷり溶け出した事の証左です。

 

いやしかし上手く行って良かったです。ヘヴィー級の鯉が見事に、ゼラチン質と一緒に溶け出しました。

 

今回は身を竜田揚げとトマト煮に使ってしまった為、アラ汁仕立てにしましたが、これに皮付きの身や、叩き割った頭も入れて甘めに煮詰めると鯉こくや旨煮になるのだと思われます。

 

 

と言う事で、鯉を使って取り急ぎ3種類の調理を行なってみました。中流下流域の鯉でも、しっかりと手順を踏めば充分に旨いと言う事が分かりました。

 

身近に手に入る大物、蛋白源として利用価値はかなり高いと思われます。逆に清流域の鯉はさらに美味しく食べられるとしたら、非常に興味が湧いて来ました。

 

「臭そうだから...」

 

などと言わず、釣れたら捌いて食べましょう。現状、個体数を気にする事なく蔓延っている事ですし。

 

ナイス鯉👏👏今後も狙って行きたいですね。

 

 

それではまた(((((((((((っ・ω・)っ