山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

寒過ぎた晩秋の金峰山で肉塊と酒宴

いま、富とか名誉ならばいらないけれど、働きやすい職場が欲しい皆様こんにちは。

末端労働者の One of them こと私です。

 

10月20(土)21(日)で、山梨と長野の県境にある瑞牆山(2,230m)と金峰山(2,599m)に登りに行って来ました。

 

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瑞牆山(場所)

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金峰山(場所)

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この山々も、山登らない人からしたら、あまり有名でない山ではありますが、日本百名山のうちの2峰なので、とても人気のある山なのです。

 

いつも通り、薬酒bar高円寺登山部(店主非公認サークル)の料理長のふあふあ氏から

ふあ:「山登り行こう」

筆者:「どこにします。」

ふあ:「金峰山行こう。」

筆者:「メシどうします」

ふあ:「山梨だからワインに合うものを」

筆者:「そいけんローストビーフ作ります」

ふあ:「じゃあサバのトマトソース煮とペンネ作る」

筆者:「それですね」

ふあ:「そうだね」

 

とトントン拍子に話は進み、実現に至りました。だいたい泊まりで山やる時は、全体の半分ぐらいはこんな感じで酒とメシありきで話が進みます。

 

1日目

瑞牆山荘〜富士見平小屋〜瑞牆山山頂〜富士見平小屋

そして迎えた本番当日。

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始発で着いた韮崎駅で、いきなりゲップが出そうなほどのキャッチコピーに迎え入れられました。

 

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10月も後半だと言うのに中身がほぼ同じセブンティーンアイスの自販機が2台置かれている辺り、流石は「夢と感動のテーマシティ」...

と妙な納得感を持ってバスに乗り込みした。シティい。

 

さて今回の山旅は、韮崎駅からバスで約1時間、瑞牆山荘を起点として、富士見平小屋にベースキャンプを作り、そこから1日目は瑞牆山を往復、2日目は金峰山を往復し、テントを撤収して退散と言うルートでございます。

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瑞牆山荘前にて準備に余念がないたらこ氏

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瑞牆山荘から緩い登りを登る事およそ1時間、程なくして富士見平小屋に到着。

 

ゆうに50張りは張れるぐらいに広く、平らな良いテント場。

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今回の私の使用テントは、メインで使用しているアライのエアライズ1ではなく、モンベルのステラリッジ3型。
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デザインや機能性に派手さは無いですが、山岳テントとして必要な機能は全て備えていながらコストパフォーマンスに優れている良いテントです。

別売りのスノーフライを買えば積雪期にも対応出来るので、贅沢を言わなければ、ステラリッジ1つで日本の山々はオールシーズン対応可能です。

 

テントを張り終え、軽食を食べたら瑞牆山山頂を目指します。

 

山はすっかり秋の装い。

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瑞牆山は標高はそこまで高くないながら、切り立った岩肌が特徴的で、その道中は割と険しいです。

 

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2時間程で山頂に到着。

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切り立ってます。

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ホッと一息つく間も無く、瑞牆山山頂で雪が降って来ました。紅葉どころじゃないです。寒いです。

 

遮るものも無いので、身体が冷える前に早々に退散。

 

テント場に戻る頃には結構な強さの雨が降って参りました。

 

とは言え、今回の山旅の目的の一つでもある、富士見平小屋限定のクラフトビールについては雨でも飲まねばなりません。

 

瑞牆ビール(ピルスナー)と富士見小屋ビール(ドゥンケル)で乾杯🍻

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いやはや、山小屋のビールと侮る事なかれ。これがなかなかの美味しさでした。

瑞牆ビールは、サントリー醸造家の夢をさらに濃醇にさせた様な力強さを感じますが、常陸野ネストのラガーほどは香りが強くないので、クドさは感じさせない絶妙なバランスを突いたナイスピルスナー

 

富士見平小屋ビールは、ドゥンケルのお手本のような、ロースト麦芽の香ばしさと深い余韻を感じとる事が出来る逸品。晩秋の山の風景に良く合います。

 

それぞれ一本ずつ飲んだ所で雨足がさらに強まって来た為、テントに避難。疲れからか、黒塗りの高級車に追突してしまう事なく仮眠を取ってしまいました。

 

小1時間ほど寝た後、あまりの冷え込み具合に起床。

 

幸い雨も止んだ様子なので、ここぞとばかりに酒宴の準備に取り掛かります。

 

今回の山旅の目的のおよそ80%はこの酒宴でありますからね。(残り10%が下山後の温泉ビール、7%が富士見平小屋のクラフトビール、3%が紅葉と景色)

 

日もすっかり暮れて気温が下がって参りました。

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(酒宴の仕込みに勤しむ料理長ふあふあ氏)

 

さてこちらも遅れをとってはいられません。やって行きましょう。

 

玉ねぎを半分に切って

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すりおろして
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ニンニクもすりおろして
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事前に混ぜ合わせておいた調味液(醤油、酢、塩胡椒、酒、みりん、砂糖、レモン汁)

を、玉ねぎおろしとニンニクおろしとさらに混ぜ合わせて、
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アルコールが飛ぶまで加熱。
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肉は事前に火入れしておいた牛肩ブロック1kgの表面を温め直します。

シズル感。

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切り分けましょう。山なので厚さとか薄さとか気にしない。
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肉の説得力は視覚に訴えて来ます。
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料理長ふあふあ氏作、キノコのアヒージョとサバのトマトソース煮。

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抜かりなくバゲットも焼かれます🥖
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さて、舞台は整いました!雨も上がりました!後はやって行くのみでしょう!

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ローストビーフ旨い!(自画自賛

火の通し方もほぼ狙い通り。ソースも酸味とニンニクがバチバチに効いて肉の力強さに負けていません。

 

サバのトマトソース煮旨ーっ!

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キノコのアヒージョ旨ーっ!

バゲットに塗りたくって永遠に食べていたい。
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序盤、詰め替えて持って来た相模灘の純米を飲んでいたのですが、
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途中から赤ワインへと変更。赤いお肉には赤いお酒が良く合います😋

 

トドメにふあふあ氏がゴルゴンゾーラペンネを繰り広げて来ました。

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山で食べるにしては技有りに過ぎる料理で、山の酒宴は果てしなくだらしなく更けて行きました。

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2日目

富士見平小屋〜金峰山山頂〜瑞牆山

明けて10/21(日)

03:50起床。気温は2℃

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寒い寒いと目を擦りながら朝食の準備に取り掛かります。

今朝のご飯は炊いた白飯とアマノフーズフリーズドライカレー
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アマノフーズのカレーは旨いですね。軽いし、レトルトよりも味が良いので山では重宝します。

米の炊き加減もバッチリ。

1人1合ずつ食べて、05:05に富士見平小屋を出発。

 

歩き始めは暗闇の中を慎重に進みます。

1時間ほど歩いて明るくなって来ました。

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標高を上げるにつれ、次第に気温が下がって来るのを文字通り肌で感じます。

 

樹林帯とは言え、吹き上がって来る風が強く、容赦無く体温を奪われます。防寒・防風対策は必須です。

 

今回の私の行動着は

 

肌着→モンベルのジオラインロングTシャツ中厚手

Tシャツ→ドライ生地の半袖T

中間着→ファイントラックの薄手ジャージ

中間着2→パタゴニアのR2ジャケット

アウター→モンベルのストームハンター

 

でした。

割と寒さに弱い方なので、途中からR2ジャケットを足した感じです。

 

 



このR2ジャケット、値段は張りますが、コストに充分に見合うだけの働きをしてくれます。何せ軽さと暖かさが凄い。

着た瞬間に肌周りの空気が暖まるのを感じます。ここ3年ほど使っていますが、冬の中間着として、欠かせないアイテムです。

 

森林限界を越えると、視界が途端に開けました。

そして、薄っすらと雪が積もっていました。

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2,400mを超えた高山帯は、10月の3週目の時点で既に初冬の様相を呈しています。これは秋のつもりで来たら事故るパターンです。

 

最後の鎖場を越え

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富士見平小屋を出発してからおよそ3時間20分、金峰山山頂に到着。

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凛とした空気の中、頂上では樹氷が立ち並び、富士山がハッキリとその姿を現しました。

 

20分ほど滞在して頂上を出発。

帰りは3時間ほどで富士見平小屋に戻り、テントを撤収。

 

瑞牆山荘からのバスに乗り込みました。

そして向かうのは当然にして日帰り温泉

瑞牆山荘〜韮崎駅の間に、増富の湯と言う日帰り温泉がある情報を事前に抜かりなく仕入れていた我々は、2日間の汗を綺麗に洗い流し、無事に下山した喜びを乾杯して分かち合いました。

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この増富の湯、生ビールが黒ラベルであると言うだけでハナマル💮なのに、なんと山梨の銘酒・七賢も置いてくれていたのです。

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季節の天ぷらとほうとうのナイスブラウンさに意表を突かれながら、一同は

「うめーっ!」

「くっー!」

と途端に語彙力が低下して、ズブズブとアセトアルデヒド化して危うく帰りの列車に乗り遅れそうになりました。

 

 

瑞牆山荘〜瑞牆山金峰山ピストン

技術:★★★☆☆☆☆☆☆☆

体力:★★★★☆☆☆☆☆☆

 

(高尾山を

技術:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

体力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

を基準値として考えて)

 

技術的にも体力的にも難しくない山ですが、10月3週目の時点で降雪も積雪もあるので、油断すると容易に低体温を招く事態になります。

くれぐれも装備とタイムテーブルと自分の体力値の確認は怠らぬよう臨んで頂けたらと思います。

 

それではまた次の山でお会いしましょう🏔