山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

2018冬季ウツボまとめー料理編

季節はすっかり初夏の装いで、10連休明けで疲弊した通帳残高と10連休明けで疲弊した肉体に鞭打ちながら書いて行きたいと思います。

 

前回からの続き、ウツボのまとめ料理編です。思えば色々作りました。良く出来たものも良く出来てないものも。

 

一通り書き記して行きますのでウツボ釣り上げた際にはやってってみておくんなまし🎣

 

 

 

【腹身のムニエル】

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作り方は至って簡単。骨のない腹身の1番上等な部分に小麦粉をまぶしてバターでソテーします。


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こんがり焼き色がついたら出来上がり。

旨い!皮目の臭さは一切無し。手軽さと旨さから真っ先にやって頂きたい逸品。ビール!ビール!ビール!


【腹身のタタキ】

焼き方は色々あって良いと思います。串打ちして炭火でやった方が本当は良いのでしょうが、今回はフライパンに魚焼き用のクッキングホイルを敷いて焼きました。

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皮の方からしっかりと火を通した後、裏面は軽く火を通す程度に。ミディアムぐらいの焼き加減。
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仕上げにネギとポン酢をかけて出来上がり。
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もう、不味い要素が無い!シャケのハラスのような香りと脂に、フグの弾力が加わったような味わい。強過ぎる脂をネギとポン酢が見事に中和してくれます。最 to da 高。

 

 

【干物】

作り方は他の魚の干物と同じ、一般的な干物のレシピで大丈夫です。

10%程度の塩分量の調味液に15〜30分程漬け込み、水気を切った後、一晩かけて干し上げます。

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実に旨い!皮目の脂がジューシー。塩気を強めにすれば酒が止まらなくなる事請け合いです。

 

 

 

【刺身】

これまた腹身の良いところを薄造りにして行きます。

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生のままだとフグを食べているかのような歯ごたえ。

ただ、今回処理の仕方が宜しくなかったのか、皮を剥いだにも関わらず、皮目の生臭さが鼻に付きました。鮮度的には問題無かったはずなので、皮を処理したまな板と刺身用のまな板は別に用意しましょう。大反省。


【しゃぶしゃぶ】

同じく悪くは無いけれど、生臭さがやや鼻に付きました。それぐらい生のウツボの皮の臭いは強烈。脂のノリは凄く良かっただけに残念極まる。

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【クミンシード入り唐揚げ】

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これは旨かったです。揚げると鶏肉のような質感になり、クミンシードと良く合います。ビールのお供に。

ただし骨切りしてもなお、下半身の身でやると皮下埋没骨が舌に障ったので、骨切りのやり方については要研究。

 


【う味噌汁】

小林銅蟲先生の「ウツボ冷や汁」を参考に作成。

 

捌きの段階で、皮はペンチを使って綺麗に剥いでおきます。

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干したアラと骨つきの身をこんがりと焼きまして。
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焼けた身はアツアツのうちにほぐして行きましょう。
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骨と身を丁寧に分けて行きます。
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ウツボの皮下埋没骨はY字になっていて超凶悪なのでキレイに取り除いてください。とても嚙み切れる代物ではない。
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焼いたウツボの中骨とアラで出汁を取り、ほぐしたウツボの身とすりゴマと生姜を混ぜたものを具に使用。
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旨いです。ウツボの旨味がじわりじわりと染み出します。出汁要員の中骨を焼いたのと、味噌と生姜で臭いは気にならない程度まで落ち着きました。が、手間はかかります。やりたい方は是非。

 

 

【ケンタッキーフライドウツボ

こちらは米久氏に教えて頂いたレシピ。

新鮮な頭部を用意します。

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唐揚げ粉をつけて
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低温でじっくりファイアーーーーー!🔥
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インスタ映えするヴィジュアルに仕上がりました。
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実にケンタッキーの味!ケンタのオリジナルチキンのBOXに混ざっていても気が付かないレベル。ケンタッキーはオリジナルチキンの100,000個に1個当たりとしてウツボヘッドを入れて行きましょう。行くべきです。

 


【揚げ煮】

骨が凶悪に過ぎる下半身の身をなんとかして有効に使いたいと思い、和歌山県南部に伝わる小明石煮を参考に作成。

4日間かけてカリッカリに干した下半身の身を金切鋏で3mm感覚に切って行きます✂️

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これをじっーーーーくりと揚げてさらに水分を飛ばし
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酒と醤油と味醂と砂糖を合わせた調味液で汁気が無くなるまで煮詰めます。
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完成。
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旨い!これは真っ当に旨い。流石にここまでやれば骨も気にならないレベルまで落ち着きます。

下半身の身は下手に骨切りとか骨を除く方法を考えずに、この揚げ煮にするのが正解な気がします。

ご飯のおかずにも酒の肴にもなり得る逸品。今回は衣を付けて揚げましたが、無くても良いとは思います。

 


【U-curry】

うっかり。さて、さんざんウツボ料理を作って来て、その旨味と皮目の生臭さのピーキーさから、どう料理するのが正解なのか。生臭さを消して白身を活かすのであればカレーはどうか?!

クミンシードと相性が良いならカレーとの相性なんて良いに決まっている!

と、一念発起。


今回はスタンダードなココナッツベースのフィッシュカレーで作りました。普段はカレイやタラを入れて作ります。

 

今回使用したスパイス㌠。

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具材㌠。タマリンドは無かったので練り梅を水に溶いて代用。
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途中まではタタキと同じ。ウツボの腹身を皮目からこんがり焼いて一口大に切り分けます。
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スパイス㌠をテンパリング。今回使ったのはフェンネル、フェネグリーク、カレーリーフ、レッドチリ、ローレル、ココナッツファイン、ブラウンマスタードシード。

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テンパリング後、おろしニンニク、おろしショウガ、あらかじめ炒めておいたアメ色玉ねぎとトマトを合わせます。
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カレーロード作成後にココナッツミルクで水分を添加。ウツボのタタキもこのタイミングで投入。
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一煮立ちさせた後、カレーリーフとレッドチリでテンパリングさせたオイルをダメ押し気味に入れて
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完成!
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うん!旨いっす。ただ、磯臭さも勿論のこと、ウツボのあの芳醇な脂感までも消えていて、ウツボを食べている実感は薄くなりました。

油の使用量としては、全ウツボ料理通して、ブッチ切りの1位なのですけれどもね。

カレーとしての完成度は高いですが、ウツボ料理としての完成度はやや低いです。

ウツボの個性を残しつつ、臭みだけ取り除くのが実に難しい。

 


【煮こごり】

皮を剥いでしまった時に余る皮をなんとかして有効活用出来ないものかと考え、皮のみを使用して煮こごりにチャレンジ。皮目がゼラチン質なら、いっそゼラチンで固めてしまえば良いのです!

 

酒に浸け、湯引きして、ウツボの皮の臭みを何とかして取り除こうとしたのです。

 

その後、里芋等他の野菜と合わせてダシ汁で煮込んだものをゼラチンで固めて冷やします。

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一晩置いて完全に固まったら完成。
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うーん...臭い!見た目はそこそこ美味しそうなのですが、後からじんわりじんわり皮の臭みが鼻について来る。酒に付けた後、茹でこぼしてもウツボの臭みは取り除けませんでした。

 

 

【まとめ】

ウツボは、タタキとムニエルと一夜干しとフライにすれば間違い無く旨い!!

 焼く or 揚げる 際には皮は剥がなくて良いです。皮目の脂が無いと物足りなさが出て来てしまうので。

焼くか揚げるかすれば臭いはどうにでもなります。皮の臭みは一定時間以上、高温で火を通すと消え去るので。

 

しかし、茹でや煮だと臭いは飛ぶことなく留まり続けるので注意が必要。

 

 

強烈な下半身の骨については、技術的に取り除くのが難しいので、出汁要員として割り切るか、中骨を取り除いたら揚げ煮にしてしまうのが正解の様な気がします。

流石は郷土料理。先人達の知恵が詰まっています。

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和歌山県南部で売られているお土産)


内臓料理と煮込み、茹で料理については来季以降の課題としたいと思います。

現時点では臭みがどうしてもつきまとうので、上手く使いこなせないのが正直なところ。

とは言え、私が良く観ているyoutubeチャンネル「きまぐれクック」のかねこさんと変な魚おじさんは、ウツボの身と皮の刺身を臭みなく食べていらっしゃるので、やり方はあるのだと思われます。

しかもこの回、上半身も腹開きで刺身作っているのですよね。通常は背開きにして腹身を取るはずなのに。こんなやり方があったのかと、目からウロコです。

 

これ以外にも、「きまぐれクック」の過去回ではウツボを骨切りにして蒲焼きにしたり、煮付けにしたりとしているので、私と比べてこの辺り、魚を扱う事の上手い下手が如実に出た結果だったのだと思われます。

 

出汁の取り方についても、私はなんとかウツボの臭みを抑える事が出来ているだけで、先人たちがやられているようなウツボの個性を伸ばすところまでたどり着けていないので、

これまた来季の課題としたいと思います。

 

来季ウツボ課題

・夕マヅメ

・捌き

・刺身

・しゃぶしゃぶ

・煮付け

・出汁

 

後はトラウツボ等、他の種類のウツボとの食べ比べもやって行きたいですね。果たしてどれほど食味が変わるのか。

これらの課題点を解決出来た時、ウツボハンターとして独立独歩の道が拓けるとか、拓けないとか言われております。

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(やかましわ)