山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

冷やしヌタタタキで初夏の装いを

以前に紀伊半島で特大クロアナゴを釣り上げた記事を書いた際、 

結びに「今度はマアナゴ釣りたい🎣」などと書いたら、まいったか筋肉氏から誘いがあり、堤防からのマアナゴを釣りに行く運びとなりました。

 

話を進めて行くうちに、どうやらこの時期、ヌタウナギが深海から上がって来て、外道でかかる事があるらしいと言う事が分かり、メンバーのテンションはアナゴ登りもとい、ウナギ登りとなりました。

 

魚のようで魚でない深海魚(仮)、身体から水をゲル化させる液体を分泌し、強力な粘液を纏う為、釣り人からは嫌われていますが、その食味は存外美味しいと評判の珍魚(仮)なのです。

 

「え?ヌタウナギ釣れるの?やった!ヌタウナギ釣れるなら最高ぢゃん!」

 

「もはやヌタウナギ本命で良くね?!」

 

「マアナゴなんか釣れても外道だから、リリース!リリース!」

 

と途中から論旨と主旨はズレにズレまくり、メンバー全員一様に鼻息荒く、ヌタウナギを狙いに夜釣りへと向かいました。

 

捕獲編

夕マヅメ、17:30からキックオフ。東京湾内某所。

仕掛けはウナギ針に中通し10号の錘を通してブッ込む超シンプルスタイル。

餌はアオイソメを用意。

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釣り開始直後は微塵の当たりもないまま、開始1〜2時間経過後、突然の時合いが訪れます。

竿を引き上げた際に、不自然な重さが竿先に纏わり付いて来ました。

 

まーた海藻が絡まったか!めんどくさいなぁ!

 

と思いきや、ゼリー状の塊が針先に見えました。

 

ヌタだーーー(°∀°)ーーーーー!!

凄いヌタ!!

もう、これでもかってぐらいにヌタ!

 

本体並みにヌタ塊がデカい。

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間髪入れずに、もう一つ用意していた胴突き三連仕掛けにも不自然な重み。

さらにヌターーーーっ!!

しかし、強靭過ぎるヌタの為に、三連仕掛けがグッチャグチャに。1匹のヌタウナギのせいで三連仕掛けを全取っ替えする事態。三連仕掛けで複数匹は狙えないと言う事が良く分かりました。

1匹1仕掛けで考えて行かないとイカンですわ。

 

ぬらぬらしていてとても可愛い☺️

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持つと手にまとわりつく様に絡んで来るので、気持ち悪さを可愛さが上回ります。

あまり長いこと愛でていると情が移りそうになるので危険。危険が危ない。

 

しかしこの後は当たりは全く無く、ものの30分で時合いは終了。終電に滑り込んで帰宅。

 

しかし私の帰宅間際に、残留組から再度時合いが来た報告を受けました。

 

夕マヅメ〜深夜帯に堤防付近を回遊しているのかもしれません。来る時はいきなり来ます。そして突然去って行きます。

 

以前に、ざざむし。

でヌタにミルクティーを加えて鼻水ミルクティーを作っていた記事があったので、現場でヌタとコーラでコーラゼリーを作ろうと試みました。

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が、固まらず、ただの磯臭いしょっぱいコーラが出来上がるに止まりました。無念。

 

フォロワーさんから的確過ぎる助言を賜り。

次回はウェルチのぶどうジュースでやってやろうと心に誓いました。

 

ちなみにこの日、同行のふく氏が唯一マアナゴを釣り上げました。しかもかなり良いサイズ。

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まっ!今回は外道だから羨ましくなんかないんだからねっ!

う、羨ましくなんか...

 

 

 

調理編

終電になんとか間に合いまして、翌日夜に捌きに取り掛かりました。

台所でやったらヌタで流しが詰まるのが目に見えていたので、ベランダで捌いて行く事とします。画像が薄暗いのはその為です。ご了承くださいってばよ。

 

捌く時点では既にヌタウナギ㌠はこと切れていたものの、なお粘ります。

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パカァッ!
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スターシップトゥルーパーズのようなこの口で指を噛まれると、ザラッとした鈍痛が走ります。海底の屍肉を削り取っているのでしょう。

 

皮に切れ目を入れて、力任せに引っ張ると、綺麗に皮が剥げます。

 

腹を切って行ったところ、抱卵個体である事が判明。

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こちらは内臓全景。
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卵だけ取り出した様子。
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骨が無いので、皮剥きさえ乗り切れば後の捌きはかなり楽である事が分かりました。その点で歩留まりはかなり良いです。

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↑身肉の中心部からハミ出た白いのが神経+骨の代替箇所と思われます。

 

さてさて、捌き終わったたら料理に仕立てて行きましょう。

 

【1品目 刺身】

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ギョリッギョリ。生臭さは感じないです。旨味は感じるけれどギョリッギョリ。飲み込むのに難儀するレヴェルの歯応え。ゴリゴリではないです。ギョリッギョリ。

お正月にヌタウナギを食べる習慣があったら誤嚥事故が一定数発生していたかもしれません。お正月にヌタウナギを食べる習慣が無くてホッと胸を撫で下ろしています。

 

【2品目 ヌタタタキ】

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刺身では強過ぎる弾力を何とか弱めるべく、包丁で叩きまくってミンチにしたものとネギと味噌を併せてみました。

魚の刺身では考えられない食感と味ですが、これはアリですね〜!食べ易いし、嚥下しやすい。そして旨い!飲める刺身!

ふと思い立ち、途中からニンニクペーストを添加したところ...

 

 

ん〝んっ?!

 

 

Σ(°し_°)!

 

 

 

途端に獣肉のユッケ感出て来ました。

そしてこれがなかなか旨い!いっそのこと胡麻油も足して完全にユッケにした方が味が活きるかもしれません。

 

 

【3品目 唐揚げ】

鉄板と言われている唐揚げ。片栗粉だけまぶして揚げてみます。

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おおっ?!

今度は途端にイカ感出て来た?!少し独特な風味を感じるイカの唐揚げやんか。しつこくならない程度に酒と生姜醤油で下味付けても美味しいかも。

 

【4品目 内臓・卵入り海鮮野菜炒め】
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炒め物だとどんな味わいになるのか。新鮮な魚の内蔵と卵はだいたい旨いと言う定理があるので期待が持てますが...

 

 

 

が...............!

 

 

うーーーーーーーん?!炒めると身肉の部分は少しクセが強くなるんかな?!骨の代わりにある脊索の部分がひょろんと飛び出て何とも気持ちにさせられます。

 

内臓は果たして...

 

 

うーーーーーーーーーーん....

 

 

内臓、全般的にケミカル臭がするなぁ。オキシジミとはまた違った感じのケミカル臭。なんでだろ。卵も固くてボソッとした感じで、旨味はあまり感じられず。

 

調理法が宜しくなかったのか、個体差によるものなのか。敢えて食べなくても良いレベルの味に止まりました。

 

 

今回は2匹しか釣れなかったので、煮込み系や、干し系まで到達しなかったです。

やりようによっては可能性を感じる食材なので今後も釣ったらキープして行きたいですね。

 

暫定ではヌタタタキとヌタカラが鉄板かなと思えます。ヌタタタキはむしろ積極的に食べたいと思える逸品でした。

内臓を活かす調理方法があるのかは今後要検討ですね。

 

時期としては5月辺りが浅場でも釣れる時期とのことなので、新緑萌える初夏の風物詩として、サ○トリー辺りが

ハイボールには、ヌタカラで🥃」

と言うキャッチコピーを流行らせる日もそう遠くはないとか、遠いとか、巷では噂されていないそうです。

 

今後も一部の熱狂的ファンを引き付ける魚(仮)として、リリースせずに持ち帰って行きたいものです🎣