山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

テント泊山行におけるリスクヘッジ

2日連続の更新でコンバンハ🌃どなたです?私です。

 

10月、11月と立て続けに島に行って来たので、12月は山だと言わんばかりに、行って参りました。積雪期直前の低山テント泊に。

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当初の予定は丹沢の裏側から入って蛭ヶ岳丹沢山→塔ノ岳に抜ける丹沢の花形ルートを小屋泊でやろうと思っていたのですが、今年10月の台風による道の崩落で、現在まさかの通行禁止。

 

予定を変更し、今年の元日に私が拝めなかったご来光を拝むべく、

 

 

塔ノ岳のテント泊大倉尾根ピストンを再度やって参りました。

今年の山行は塔ノ岳に始まり塔ノ岳で終わります。

 

今回は3人編成となり、私がテント係、ふあふあ氏が例によって料理長となり、完璧な役割分担のもとで準備が進められました。

 

14:45頃、渋沢駅発のバスに乗り、15分ほどで大倉バス停に着弾。

身支度を整え、15:08に大倉を出発。この時間帯から登り始める輩はそうそういないです。

 

何度も登り慣れた道ですし、特に変わった所は無く、16:00頃に大倉高原山の家テント場に到着。

 

ここのテント場、現在訳あって管理人不在とはなっておりますが、トイレも機能しており、一応使って良い事にはなっています。

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15分ほどでテント設営完了。今回はモンベルのステラリッジ3型を持参。3人で寝るにはやや狭いですが、なんとか寝られます。お値段そこそこで、山に必要な機能は全部詰まっているので、最初の山岳テントとして買うにはオススメ出来るかと思います。

 

 

今回は、私がテントと2人分の寝袋とマットを用意していた為、水を担ぎ上げる余地がザックに無く、水は現地の沢の水を調達する事で賄う方針を取りました。

 

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現在、ここのテント場は断水しているため水場は使用不可能ですが、最寄りの沢までの、手描きのアバウトな地図があり、この沢の水を汲みに行く計画です。


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「大倉高原山の家 水場」等で検索すると、写真付きの解説入りでこの水場までの案内をしてくれているブログもあり、割と安心しきって水を汲みに行きました。

 

が、見通しが大分甘かったです。

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上の地図通りに、見晴らし小屋の手前左側にトラロープが木に括り付けられている所があり、そこから登山道を離れて水場へと向かいます。

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↑ここはトラロープから分岐して間も無い地点。まだかろうじて普通に歩ける斜度ですが、この後10mほど歩き進めると様子は一変します。ここから先は割としっかりと危なかった為に、写真を撮る余裕がありませんでした_(┐「ε:)_

 

この後は登山道らしき道は消え、斜度が上がり、土の急斜面をトラバースするような形で下って行きます。油断すると容易に滑落してしまうぐらいには傾斜があります。

 

時おり木に道標となるリボンが括り付けられてはいるものの、明確に進行方向を指し示す程には数が無い為、どちらかと言うと自分で道筋を読んで行く事になります。

 

どうにかこうにか下りきると、今は使われていない林道が出現。

そこから道なりに5分〜程度歩き、漸く水場に到着しました。

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水量、水質共に申し分無しの水場です。

 

4ℓほど汲んで急いで来た道を戻ります。

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既に日が沈みかけていた為、早足で戻ります。

 

そしてこの後の登り返しがこの山行での最大の難所でした。

下って来たポイントを見失わない様に、持参したサブバックを目印に置いて来たのが功を奏し、山道(と言うよりは斜面)の取り付きを見失わずに済みました。

逆に言うと、このバッグが無かったら、日没を迎えた事もあって帰り道の取り付きが分からず、かなり焦っていたかもしれません。

 

登り返しの取り付きは、1番傾斜の緩い所でも四肢をフルに使ってよじ登る感じです。

この斜面、土である事と、高度感はそれ程無いので滑落→即死

と言う可能性は低いですが、いかんせん土壁なので崩れ易いです。

実際、最初の取り付きへのアプローチで崩れて、2度ほどリトライをしました。

 

高い所から滑落したら大怪我する可能性は充分にあるでしょう。

 

山をやっていて久し振りに、

「あっ。これヤバい状況に自分が立たされてるな。」

と思いました。急斜面+日没と言うように、偶発的な要素が2つ以上重なるような時に遭難のリスクが高まる事を肌身で感じました。

ここに+パニックと言う要素が加わると完全に遭難する事は分かっていたので、己の現在位置、手足のホールドをしっかりと確認しながら慎重に登り返します。

 

ヘッドライトとGPSアプリと携帯のバッテリーは持って行ったので、落ち着いてルートを確認しながら登り返し、無事にテント場へと到着。

往復で1時間弱ぐらいは費やしました。

 

メジャーな山とは言え、一歩登山道を離れると、途端に山は厳しい一面を見せて来ます。本来山は人間が歩けるようには出来ていないものだと言う事を改めて実感しました。

加えて、この時期は日没が早いです。水汲みに行くだけとは言っても時間に余裕を持って、且つ装備は万全にして汲みに行きましょう。

 

余談ですが、この水場前の林道は途中で切れている感じであり、麓までは辿り着けそうに無かったです。

 

2年前に菰釣山の避難小屋泊をやった時もそうでしたが、このような沢の水を汲みに行く水場と言うのは、例え公式の地図上に表記されているものだとしても、意外と見つけ辛く、探すのに手間取る事も割とあるので、時間と装備に余裕を持って臨んだ方が良いです。 

 

今回の水場はその典型で、事前の調べでは手軽に行けそうな感じが漂っていましたが、道の難易度だけで言うと丹沢の一般登山道の比では無かったです。

雨の日や地面がぬかるんでいる日はまず行かない方が無難でしょう。

 

 

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その後は無事に戻って来れた事を祝して、厳かに、且つしめやかに安堵の乾杯。おかげで今年ベスト3に入るビールの旨さでした。

 

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テント場では既に料理長のふあふあ氏が味噌ちゃんこ鍋の仕度をして待っていてくれたのです。さすがは料理長。

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私の方からもサッと作れる一品、変わりヤッコを提供。

こちら、絹ごし豆腐にネギ、ちりめん、桜海老おかかを乗せた後に煙が出る寸前までガンガンに熱した胡麻油を振りかけるだけのお手軽料理なのですが、悶絶級に旨いのです。

とあるレシピ本から引用をしました。里でも山でも活躍の場が多い逸品です。

人気の21店が教える 酒の肴240 別冊家庭画報

人気の21店が教える 酒の肴240 別冊家庭画報

 

(↑詳細はこちら)

 

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途中からふあふあ氏持ち込みの鶴齢純米酒を熱燗にして身体を温めつつ、20時に就寝。

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3人用テントとは言っても、大人3人で寝ると割とギュウギュウです。身長170㎝以上ある人は足を曲げて寝るぐらいの感覚。

山岳テントなので、これぐらいの広さで充分に過ぎます。

 

翌朝午前2時に起床。

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昨夜の残り汁にうどんを投入しつつ、左の鍋ではサーモスに入れる用のお茶を大量に沸かします。

 

片付け、トイレ等済ませて午前3:25頃に出発。前回の初日の出登山の時と違い、流石にこの時間帯の登山客の姿はまばらです。

大倉尾根の登山道は良く舗装されているので目立って危険な所は無く、午前6:10頃に山頂に到着。気温は0〜−2℃ぐらいと言ったところ。

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午前6:40頃、無事に日の出を見る事が叶いました。1年越しの日の出です。

 

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無事に日の出の写真も撮る事が出来たので、山頂の山小屋でモーニングビールの祝杯を上げます。ストーブの効いた部屋で飲むビールもまた格別ですね。

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その後はテント場まで戻り、速やかに撤収作業をし、帰路に着きました。

 

 

以下まとめ

今回で言えば水場への行き来と言う、通常ならなんて事は無い道のりが、時に容易に山の難易度を跳ね上げる可能性がある事を改めて実感する、貴重な山行となりました。

 

普段から山ではGPS、バッテリー、地図、ヘッドライト等は常に持ち歩くようにしていますが、また今後も一段と注意して山に臨んで行きたいと思います。

 

・タイムテーブルには余裕を持って行動

 

・必要装備は己のレベル感を踏まえて常時携帯

 

・登山道を離れた水場(特に沢)へのアプローチは充分に用心

 

・下調べ、登山届、エスケープルートの確保等、常にリスクヘッジを 

 

・なにより慌てない

 

どのような山を登るにせよ、この5点は今後も欠かす事なく励行して行こうと思いました。

皆さまの登山の安全も願いつつ👏

 

それでは良いお年をお迎えください( *・ω・)*_ _))

 

 

 

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塔ノ岳 大倉ピストン

技術:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

体力:★★★☆☆☆☆☆☆☆

 

大倉高原山の家テント場〜沢 往復

技術:★★★★★★☆☆☆☆

体力:★★★★☆☆☆☆☆☆

 

 

(高尾山を

技術:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

体力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

を基準値として)