山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

辛辛魚鍋にホンビノス料理の一定解を見る

山菜、野草、春キノコ、釣り等々、採集活動が活発になる4〜5月。もう一つ忘れてはならないコンテンツがあります。

 

そうです。

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干潟です。

 

水温も上がり、干潮時刻が日中の時間帯になるベストシーズン。

 

4〜6月の休日の大潮の日を潮位表で隈なく確認し、取り敢えずスケジュールは空けておきます。冠婚葬祭以外は万難を排して空けておきます。

 

大潮+天候+己の予定 の3つ揃わないと干潟には臨めないので、取り敢えず予定は空けておく必要があるわけです。

 

5/6(月)全ての条件が整い、今シーズン初の干潟に行って参りました。

今回の狙いはホンビノス、マテ貝、次点でアナジャコ。

 

昨年モヤ抜きと塩抜きの実験過程で大量にホンビノスを死滅させてしまった経験を踏まえ、

今年はベストな処理を施して余すところなく頂く方針です。

 

この日、天気は晴れ、潮位は正午前に9㎝まで下がると言う申し分ないコンディション。

 

2時間半〜ほど粘ってホンビノス50個、サルボウガイ1個、マテ貝6個、味見用にカキ1個を獲得。f:id:u_f_y:20190526170827j:image

(令和最大級サイズ)

 

昨年よりも貝の密度はやや低いですが、充分な量を確保出来ました。

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(アナジャコは自力確保とはなりませんでした)

 

 

下処理編

昨年の大反省を踏まえて、モヤ抜きと塩抜きを行います。

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ホンビノスの貝殻が半分埋まる程度に、汲んで来た海水を浸します。

 

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一晩経った翌朝の様子。かなりの量のモヤを吐き出しました。砂を噛まない貝とは言っても、モヤ抜きはしっかりやっておいた方が良い事が分かります。

 

その後は食べる分だけ取り出し、半日に一度、同量の3%の食塩水に浸して常温で保存。

2日目以降は殆どモヤを出さなくなります。

 

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5日目夜の様子。水もかなり綺麗。全ての貝が元気です。

 

下処理の次のステップ、塩抜きへ移ります。昨年は素干しで一日放置で全滅させてしまったので、15〜30分程置いて様子見。

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塩を出す気配無し。

 

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段取りを変更して、真水に浸して1時間〜ほど放置。

どれぐらい抜けたかは分からないですが、良しとしましょう。

 

調理編

さてさて、下処理を経て漸く調理に取りかかれます。

 

【1品目 さんが焼き】

 

昨年もやった鉄板メニュー。

 

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茹でて
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少し口が開いたらお湯から上げて中身を取り出して

 

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真ん中で2つに割って


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中腸腺を取り出して。

 

今回は中腸腺を取り出しましたが、水質に問題無いエリアのものならば出さなくても良いです。ホイル焼き等の時は丸っと全部食べるので。当然、中腸腺も取り出さない訳なので。

 

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刻んで、頂き物のハルジオン味噌(普通の味噌で可)とネギと合わせて混ぜて良く叩いて。

 

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貝殻に戻して、お好みでチーズやガーリックペースト乗せて、オーブンで焼きます。

 

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さんが焼きの出来上がり。


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これがもうビールに合い過ぎる鉄板メニューでして、とっておきのヤッホーブルーイングの信州限定クラフトザウルスを開栓してしまいましたね。

 

チーズがさらに暴力的に旨味を加速させます。

 

【2品目 茹で汁とイタドリの炊き込みご飯】

さんが焼きの際に出た茹で汁がもったいなかったので、イタドリと合わせて炊き込みご飯を作りました。

 

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塩漬けして冷凍しておいたイタドリを塩抜きした後、刻んで白米に乗せ、ホンビノスの茹で汁で炊き込みます。

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ホンビノスの旨味にイタドリのシャキシャキ感が加わって良い感じです。

 

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途中からバターを混ぜて味変を試みる。下品に超旨い😋

 

 

【3品目 ホイル焼き】

玉置さんが実践されていたホイルで丸ごとグリルで焼く「ホイル焼き」に挑戦。

作り方は至って簡単。ホンビノスを丸ごとアルミホイルに包み。魚焼きグリルで火を通します。

 

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外から焼き加減が見れないのがやや難易度高め。


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10分〜ぐらい火を通し開封

 

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これは旨い!!と言うか不味い要素がある訳もない!!

 


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ネギを少し足しても味わいが広がって美味しいです。

 

貝の大きさで焼き時間が微妙に変わるのと、焼き加減が外から分からないのと、焼き過ぎると身が固くなるのには要注意。

 

【4品目 辛辛魚鍋・百式

平成も終わる最後の最後に、私のタイムラインに彗星の如く現れた、ふく氏による大発明。辛辛魚鍋。

 

 

タイムライン上は余りにも鮮烈なその印象にどよめき、恐れおののき、打ち拉がれ、他に伏せってしまうものまで現れたとか、現れていないとか。

 

この手があったか!と。

 

これは旨いはず。ならばこれをホンビノスを6個使ったダシ汁で作ったら天元突破出来ると踏みました。

 

それではやって行きましょう。

 

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(我が家の辛辛魚㌠)

 

 

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酒と水でホンビノスを茹でまして


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殻が開いたらすかさず取り出します。


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茹で汁をキープ。

 

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具材はゴボウ、もやし、ニラ、キャベシ、ニンニク等。モツ鍋の具がベース。

 

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残りの塩漬けイタドリも解凍して塩抜きして使ってしまいましょう。

 

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低温の胡麻油でじっくりとニンニクをテンパリングさせ

 

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辛辛粉末も少々テンパリング

 

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胡麻油に香りを移したら、牛コマ肉を炒めます。

 

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全て整ったら具材をならべ、辛辛魚のスープの素を半分だけ使用し、ホンビノス出汁で伸ばして温め。

 

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一度沸騰させた後、ニラベルトと胡麻ベルトを渡して胡麻油を垂らし、蓋をして少し蒸らしたら出来上がり。

 

 

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暴かれた世界。


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さて実食!まあ、これも不味い要素はないのでね...そりゃぁね....

 

 

 

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・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

うーーーーーーーーまーーーーーーーーーーーーーーいーーーーぞーーーーーーーーーーー!!!!!!

 

これは旨い!!!!!

 

辛辛魚の鮮烈な辛さとホンビノスの濃厚な旨味、炒め牛コマ肉の香ばしい肉感等々、その全てがぶつかる事なく、渾然一体となって味蕾を直撃!

 

モツ鍋とスンドゥブチゲの良いとこ取りみたいなレシピでしたが、これが大正解!

 

否!大正義!覚悟、完了!!!

 

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その後の〆はもちろん未使用の辛辛魚麺を煮込んで、

 

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とろけるチーズとガーリックペーストで歴史的事実に再改変を加えると言う大暴挙に打って出ます。

 

 

これがまた下品に旨い!辛辛魚の麺はノンフライなので多少煮過ぎても型崩れしないのが良い。大正義。否、大星義!

 

これだけ味を足し算して行っても、基本を押さえながらやって行っているので、個々の味がぶつかる事なく、しかと積み重なってくれています。

 

昨年、カレーとモツ鍋とスンドゥブチゲをイチから作った経験が此処で活きてくるとは思ってもいませんでした。人生どこで何が役に立つかは分からないものですね。

 

 

ホンビノスの旨味が濃い為、3人前/1辛辛魚 ぐらいスープが取れる事が判明。味が薄くなったら醤油で汁を伸ばすだけでも充分に旨いです。

 

翌朝は余った具材でもうひと回し鍋を楽しんだ後、

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残り汁に米とクリームチーズと粉チーズと生卵を入れて食べたら、舌がバカになるほどの濃ゆいリゾット的な何かが生まれました。

 

〆は米でも麺でも良いです。

 

旨味の加速が時空を飛び越え、令和改元早々にして、早くも次の年号が見えかけてしまいました。危ないところでした。

 

きっかけを与えてくれた、ふく氏にG・感謝👏👏

来年もまた辛辛魚を買い溜めしてやって行きたいですね。