山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

ノドグロについて本気出して考えてみた

今は昔(今となってはもう昔の話だが)、物書きの憂と言ふもの、ノドグロを貰いにけり(ブロガーのアラフォーおぢさんがノドグロを貰ったそうだ)

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しかも40㎝クラス。釣りもの活け〆極上品を2匹。

 

凄い。まともに買ったら2匹でけっこうな値段するのではなかろうか。

 

こんなに大量の良いノドグロを手にする機会なんてそうそう無いので、無謀にも色々とやってみようと思った次第なのです。

 

ノドグロ FILET-O-FISH

1品目。読んで字の如く。マクドナルド定番の白身魚フライが挟まった定番のアレです。

やっっっっすい白身魚でやってもあれだけ旨いのだから、KING OF 白身魚であるノドグロでやったら、なおのこと旨いのではないかと思い、実践してみる事に。

 

ほら、普段はこんな事できないし、やろうとも思わないからさ...

 

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ウロコを取らずに5日間熟成後の世界。

目に少しくたびれている感出ていますが、身は全くダレていませんでした。

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DE・KA・I

 

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3枚におろして柵取り完了。

 

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パン粉を塗して、


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フィレオフィッシュソースも作ります。


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あのソースって、どうやら普通のタルタルソースを作る仕上げにヨーグルトを適量足す事で出来上がるみたいですね。酸味が増してとても美味しいです。


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ちょうど良いバンズがなかったので四角いパンで代用。


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惜しげもなく揚げます。


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不味いわけがないフライ。


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レタス、チーズ、フライ、チーズ、ソースの順に乗せて行き、


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ダメ押しでおろしニンニクを挟みます。


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出来上がり。実食。

 

 

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・・🍔・・

 

 

 

 

・・・・🍔・・

 

 

 

 

旨い!(当たり前)

 

 

そりゃぁ不味いわけがねえじゃんよって味です。

 

 

ノドグロの繊細な味が全部ソースで上書きされています。ノドグロである必要ねえじゃんよって話です。゚( ゚^∀^゚)σ゚。ヶヶラヶラヶラ  

 

元々の身が柔らかいからフライにすると食感がかなり犠牲になると言う学びを得ました。


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当然、コーラにも良く合います。ノドグロフィレオにはコーラですよ皆さん!

 

数年前に一時、高級バーガーが流行った瞬間がありましたが、そのリバイバルマクドナルドが “フィレオフィッシュ匠十段” と銘打ってリリースしたら面白いかもしれないですね。

 

絶対需要無いですけど(死)

 

ノドグロカレー

困ったらとにかくカレーにしてしまうおぢさんである私。

前回も凄え良い黒ビールを使ってカレーを作りましたが、今回はノドグロでカレーを作ろうと言う算段。

 

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今回使ったホールスパイス。左からレッドチリ、ローレル、マスタードシード、フェネグリーク、フェンネル


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ベースの油はココナッツオイルを使用。

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ホールスパイス㌠投入。

 

前回と同じ行程なので省略していますが、おろしニンニク、ショウガ、玉ねぎ、カットトマト、パウダースパイス等は入れています。

合わせて炒めた後...

 

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昆布と


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ノドグロのアラで丁寧に取った出汁を


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カレーに惜しげもなく投下します。

 

嘘です。実は惜しい。凄く惜しい。なんでカレーに使っているのだろうか。理性では入れなくて良い事が分かっているのです。でも入れなければならないと、この時、どこかでそう私を呼ぶ声がしませんでした。

 


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葛藤と戦い、煮詰めながら、終盤にかけてノドグロの身を入れ、仕上げに水溶きタマリンドペーストと濃口醤油で味を整えます。

 

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仕上げにカレーリーフをチョロっと散らして完成。

 

 

・・・

 

 

 

・・・・🍛・・

 

 

 

・・・・・・・🍛・・・・

 

 

 

うん。旨え。旨えよ。そりゃぁ旨えんだけど、フィレオフィッシュと同様、ノドグロの繊細な風味が全て消し飛んでいるのよ( つ᷄.̯σ̣̥᷅ )

 

 

タマリンドペーストの強い個性がノドグロの出汁や身の甘味を完全に上書きしにかかっています。

 

 

いやノドグロである必要が本当に無い...

 

 

カラスガレイとかで充分...

 

 

誤解が生じないよう申し上げておくと、カレーとしての完成度は高いんです。やや強めの酸味と、魚ベースならではのスッキリとした味わい。

 

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バスマティライスで無限に喰える完成度です。

 

ただ、ノドグロである必要が...


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ノドグロの変わり果てた姿。

 

 

ノドグロの炙り

さて!やはり上記の2品にノドグロが使われない理由を身を持って実感出来たので、そろそろ堅気のメニューに戻ろうと思います。思えば長い道のりでした_(┐「ε:)_

 

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柵取りして飾り包丁を入れたノドグロの身を


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ガスバーナーで容赦無く炙ります🔥


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あやしい奴とノドグロは徹底的に炙れと言う刑事ドラマのありがたい教え。


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盛り付けました。ただでさえ柔らかいノドグロの身ですが、熟成と炙りを経てさらに柔らかくなっているので取り扱い要注意です。

良く研いだ包丁で切らないとグズグズになりがちです🔪

 

ノドグロの上にあるのは近所の生鮮地雷スーパーで購入した中トロ。この地雷スーパー、魚介類が尽く地雷なのですが、マグロの質だけは安定して安くて良いのを置いてくれているのです。

 

さて実食。

 

 

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・・・・・・

 

 

 

う、旨え...

 

滋味深いとはこの事か...

 

フィレオフィッシュとカレーがなんだったのかって言うぐらいの旨さですよ...

 


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熟成の結果、全身に回った脂に加え、炙りで皮目の脂も活性化されて舌の上に乗せた瞬間に蕩けます。旨過ぎやしませんか?!

九州の刺身醤油に合わせたらなおのこと最高...


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慌てて日本酒を引っ張り出して飲み始めました。たまらん...

 

人はあまりにも旨い時、文中に3点リーダが増えると言う事が分かりました...

 

ノドグロの昆布締め

熟成ノドグロの炙りが旨いことは良〜〜〜く分かった!したらばダメ押しでもうひと手間加えたろうぢゃんか!

 

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5日熟成のノドグロの柵を酢で拭いた昆布で巻いてラップして、もう1日冷蔵庫で寝かせます。


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目を覚ませ。時が来た。


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うつ伏せ寝の状態。


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またしても炙ります🔥


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あやしい奴とノドグロは容赦無く炙r


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実食。

 

 

 

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ああ....

 

 

世界が満たされて行く....

 

 

梵我一如....

 

 

明鏡止水...

 

 

捲土重来...

 

 

意味は良く分かっていない...

 

 

前日に食べた5日目の炙りで充分に旨かったのですが、それすら霞む程の旨さ...

 

昆布の旨味と甘味が添加され、適度に昆布が水分を吸って身が締まり、此処にしかない高次元の旨味の塊となって味蕾をブン殴りに来ます。

 

これを超える白身を拙僧はついぞ喰うた事がない...

 

 

いや、これは旨過ぎました。ノドグロが何故、洋風やエスニックな料理ではなく、日本の伝統的な技法に則った料理にばかり供されるのか、漸く知る事が出来ました(遅い)

 

それが、最もノドグロの味わいを活かす事が出来るからなのですね(遅い)

 

番外編:ノドグロちゃんぽん

 

熟成ノドグロの追熟昆布締めでその実力をこれでもかと知った私なのですが、カレーを使った時に取ったノドグロ出汁がまだ余っているのです。

 

これで一花咲かせたい...!

 

私のノドグロ祭はまだ終わっちゃいねえのよ...!

 

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冷凍させておいたノドグロ出汁を解凍して、


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福岡に行った時に買った九州民のソウルドリンク「ワァン」を開封ノドグロ出汁で伸ばします。


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キャベツ、人参、豚肉、シーフードミックス等を炒めて、


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これまた福岡に行った際に購入した生ちゃんぽん麺を茹でた後、


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合わせます!!!

 

 

 

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・・・・・・

 

 

 

これは!!!!旨い!!!!!!!

 

 

旨いぞぉぉぉぉぉ!!!!!!!

 

 

ただでさえ旨いワァンがノドグロ出汁でさらに奥行きを出す事に成功しました!!!!!

 

カレーと違ってノドグロの繊細な甘味がしっかりとスープに溶け込んで映えています!!!!

 

旨過ぎる!!!!!

 

 

ワァンと生ちゃんぽん麺、関東だとまず売られていないので、ある意味貴重なのですよね。

 

関東のスーパーでも売ってくれないかな...

 

ちゃんぽん麺はモツ鍋の〆でも使いたいんだけどな...

 

 

終わりに

今回、取り急ぎ5品をノドグロで作ってみましたが、ノドグロが何故シンプルな料理に使われる事が多いのか本当に良く理解が出来ました。

 

次回、同じようなレヴェルのノドグロが手に入る事があったら、フィレオフィッシュとカレーを作る事はまず無いでしょう。加熱するにしても、塩焼きか煮付け路線を探ります。

 

適材適所。良い素材には良い調理法を。

その素材に合った調理法があると言う先人のありがたい教えです。守破離の考えの中で、少なくとも私には破離はまだ早かった様なので、今しばらく守る事に徹したいと思いました。

 

だから!このブログを目にした読者の皆さん!!ノドグロフィレオフィッシュやカレーをやろうと思っちゃぁなんねえぞ!!くれぐれもだ!!

 

おぢさんとの!!!約束だぞ!!!