山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

部屋のウイスキーと梅酒

全国のシンエヴァの薄い本配布情報を取り逃がした皆さんコンバンハ☺️私もです。

 

 

梅雨です。降水量が増える季節です。

 

今年は5月の下旬から天気が悪く、梅雨入りが早いかと思いきや、思いのほか例年並の早さで梅雨入りしましたね☔️

 

梅雨入りのことを「入梅」と言うくらいに、この時期だけスーパーの店頭でも梅の実が並ぶ季節でございます。

 

これだけ流通や生産技術が発達した世の中でも、生の梅の実が流通するのって本当にこの1ヶ月だけだから凄い。まさに旬。

 

と言うことで買って来ました。青梅3kg。

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一昨年から作り始め、今年で3年目の梅酒作り。

 

初年度はスタンダードにホワイトリカーで漬けました。

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適量が分からず親の仇みたいに梅を入れましたけどね。

味は至って真っ当に美味しい梅酒となりました。

 

昨年から、ホワイトリカー以外でやったらどれぐらい風味が変わるのか気になり、手始めにウイスキーでやることにした次第。

ネットで梅酒関連の情報を探すと、様々な漬け込み用のリキュールの一つとしてウイスキーは出てくるのですが、ラインナップはかなり限られています。ブラックニッカクリアブレンド、良くてボウモア12年ぐらいしかレシピがありません。

 

梅酒作り好きとウイスキー好きはあまり必要十分条件には当てはまらないようです。

 

ならば自分でやるしかなかろうもんよ!

 

と一念発起し、2年目である昨年は角、メーカーズマーク、ジョニーウォーカー黒で製造。

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香りは良くとも、ストレートやロックで飲むにはややシンドい角がどれだけ丸くなるのか。味にクセが全く無いのでベンチマークとして起用。 

 

メーカーズマークは、バーボン梅酒が旨いと言う情報もネット上に僅かにあり、価格と味のコストパフォーマンスの素晴らしさから選択。もちろんそのままロックで飲んでも十分に旨いです。

 

ジョニーウォーカー黒は¥3,000以下/700㎖のウイスキーの中の超優等生。安くて旨い。ロックでも充分に楽しめるし、何よりこの価格帯でありながら淡くもしっかりとピート香が感じられるのも超推しポイント。一説にはボウモア梅酒が凄く美味しいと言う情報もあるため、ピート香と梅の相性を測る最初のウイスキーとして値段と味、香りの穏やかさから白羽の矢が立ちました。

 

 

昨年ロットの三酒。角は想定通りの味です。ウイスキーと梅酒足したらこんな感じだろうなと。無難に美味しい仕上がりとなりました。角の嫌な辛味はほぼ消え去り、ロックでも美味しく飲めます。

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1番化けたのがメーカーズマーク。バーボン特有の樽香と梅の親和性が異常に高く、もはや別の酒としてステージがもう一段上がっています。これは旨い。旨過ぎる。こんなに旨いのになぜ流行っていないのか。グリードアイランドと同じで何処かの大富豪が買い占めて情報統制しているのではなかろうか。

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そして1年経過して怒涛の追い上げを見せているのがジョニーウォーカー黒。

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作ってから半年後の時点では梅とピート香がハイパーウルトラ爆裂喧嘩しまくっていて、物凄い違和感があったのですが、1年経過してかなり馴染んで来ました。これはメーカーズマークに次ぐ完成度。ジョニ黒の持ち味である豊かな奥行きを持った旨味と梅の酸味が心地良く馴染んでいます。

 

総評としては、どれも美味しく仕上がりました。メーカーズマークがこれだけ化けたのは嬉しい誤算です。

 

以上を踏まえて今年のラインナップを紹介します。

 

左からオールドクロウアードベッグ10年、ボウモア15年シェリカスクフィニッシュ🥃

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オールドクロウは安いバーボンの中では手堅くそこそこ旨いと言うところから選択。

¥1300/700㎖

バーボンはメーカーズマークの時点でハチャメチャに旨くなることは分かっているので、その上のジョージ・ディッケルやノブ・クリークでやったら不味くなるわけがないので上位機種は省略。

あとはどこまでランクを下げられるか。個人的にはジム・ビームまではランクを下げたくないと思い、オールドクロウで試すことにしました。

 

今回1番試してみたかったのが、アードベッグ10年。ピート香が特徴的なアイラモルトの中でも際立って香りが強く、ラガヴーリンと双璧を成すピート香が特徴。

本当はラガヴーリン16年やオクトモアを使ってみたかったのですが、ラガヴーリン16年で安くて¥7,000/700㎖、オクトモアに至っては¥15,000/700㎖とかなり気張り過ぎる価格になってしまうし、そもそも果実酒を漬けるにはあまりにも勿体無い価格なので、断念しました。

と言うことでアードベッグ10年は¥4,600/700㎖。

とは言え、¥4,600が果実酒として勿体無くないのかと問われると、勿体無いと思います。

 

そして今回の1番の問題児、ボウモア15年シェリカスクフィニッシュ。バーボン樽で12年寝かせた後にシェリー樽で3年寝かせたと言う逸品。お値段驚きの¥7,400/700㎖。

まあ、果実酒にするには高いです。そのまま飲んでも十二分に旨いです。なんでそんなに良いウイスキーでやろうとしたのか。

 

やってみたかったからです!

 

実は私、ピート香と梅の相性についてはまだ懐疑的で、昨年漬けたジョニーウォーカー黒の淡いピート香は1年経過して馴染んで来た感じがあるのですが、これ以上に強いと全く合わないのではないかと懸念しています。

それで、今回はピート香が最も強いアードベッグと、ジョニーウォーカー黒とのちょうど中間点に位置しているボウモアを使って試してみようと思った次第なのです。

この3つで比べればピート香と梅のバランスはだいたい推し量れると睨んでいます。

 

え?「ピート香を推し量るだけならボウモア12年でやれば良いじゃん?」って?

 

ちょっとやり過ぎるぐらいの方が楽しいじゃん!

 

だから15年シェリカスクフィニッシュにしたんですよ。だって超旨えもん。

でも18年まで手を出さなかった辺りに私の絶妙な財布の引き締めを感じ取ってください。

 

さて、漬け始める前にもちろんちょっと味見をね、してみようと思うんですよね。

 

オールドクロウ

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バーボンならではの焦がした樽の香ばしさと言った基本はしっかりと押さえつつも、メーカーズマークと比べるとやはり雑味・苦味と言った仕上がりの荒さを感じます。

しかしこれで¥1,300/700㎖なら十分な出来栄え。実際、ジムビームよりは遥かに雑味やエグみは抑えられ、飲み易く感じます。

 

 

アードベッグ10年

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口に含んだ瞬間から強烈なピート香が鼻に抜け、飲み終わってからも余韻が持続。10年と寝かせた年数は少ないながらも、同じ10年熟成のラフロイグと比べるとコク深さで上回り、ロックで飲むに充分な旨味と完成度を持ち合わせています。

ソーダ割りにすると、超ドライ且つスモーキーな味わいになり、暑い夏場にゴクゴクと飲みたくなること請け合いの仕上がりに。

これはレモンは入れずに純粋にソーダだけで割って飲みたいです。

 

ボウモア15年シェリカスクフィニッシュ

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しっかりとしながらも上品なピート香と、シェリー樽で追熟させたことによる豊かな甘味が渾然一体となって口の中で広がる理想的なバランスの逸品。ストレートで飲んでも嫌な辛味やアタック感はほぼ無く、12年を飲んだ時に感じられた余韻の薄さはすっかりと消え去り、非の打ち所がありません。

この価格帯になって来るとストレートでもロックでもトゥワイスアップでもソーダ割りでも何しても美味しくなります。ただただ旨い。本当にこれで梅酒作るのか。正気なのか。正気のような狂気か。狂気と言う勇気か。

 

 

どのウイスキーも基本的にレシピは全て一緒にしてあります。

ウイスキー1.7ℓ〜1.8ℓ、氷砂糖400〜500g、南高梅1kg。

今年は使用する梅を普通の青梅→南高梅に変えたことも大きな変更点。

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青梅と比べて1kgあたり100〜200円程度お高いのですが、果たして味に変化は出るのでしょうか。

 

メインで使うウイスキーは700㎖×2本で1.4ℓ。オールドクロウは3本買ってあるのでそのまま400㎖足して1.8ℓ。

アードベッグには、家にあったタリスカーのディスティラーズエディションを少し足しました。ごめんなさい。

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ピート香の強さと旨味の強さからそこまで違和感は出ないはず。こんなことやったらウイスキー好きな人たちから怒られが発生しそうですが、やりたいようにやります。

ボウモア15年シェリカスクフィニッシュには足りない分にボウモア12年を投入。

こはちゃんと同じ種類使えよ!とこれまた別方面から怒られが発生しそうですが、アードベッグボウモア15年をさらに買い足し、12,000円をベットする胆力が私にはありませんでした。

許せ。許してください。ごめんなさいもうしません。いやまだしようよ。

 

 

ここからは一般的な梅酒作りの流れと同じです。

竹串で梅のヘタを取り除き

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ボウルで水洗いし

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水気を良く拭き取ります

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漬け瓶は洗剤で一度洗った後、アルコールで満遍なく消毒。今回はウイスキーでやるべきと思い、角で全体を綺麗に洗い、拭き取りました。

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梅と氷砂糖を交互に詰め、最後にウイスキーを惜しげも無く投入します。

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嘘です。惜しいです。非常に惜しい。特にボウモア 。なんでこんな良い酒を梅酒にしなければならないのか、自問自答が続きます。梅酒作る、故に我あり。吾唯、梅酒作る。梅酒を作る時、筆者は断腸の思いなのだ。

 

7,400円のウイスキーをひたすらダバダバするだけの映像。

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心が乱れた時に見る動画と思いきや、改めて見ていると著しく心が乱れました。

 

仕込み完了の図。

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オールドクロウは半年で、ボウモアアードベッグはおそらく1年前後で飲み頃を迎える筈です。

 

翌日、余ったオールドクロウを少し混ぜて保険用にメーカーズマークも1.8ℓ漬けました。これは絶対に外さないので。

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答え合わせは半年〜1年後にすることに致しましょう。出来が良かったら何かの折に皆さまにお披露目するかもしれませんし、出来が悪かったら何かの折に皆さまに無理矢理飲ませに行くやもしれません。

 

なにせ今年の分のロットだけで1.8ℓ×4瓶で7.2ℓありますからね。致死量です。

 

つまりどちらにしても無理矢理飲まされる世界線にしか到達しないのです。あきらめてください。

 

その日まで暫しのお別れです。

それではまた≡≡≡≡c⌒っ゚Д゚)っ