山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

若い衆の尻穴問題 2022春

気付けば今年も1/4が終わってしまいました。

私の人生も1/3はとっくに終わっています。

人生はままなりません。

皆さんはままなっているのでしょうか?

 

ワケとの遭遇

福岡に1泊2日で爆買い爆喰いツアーに赴いた時の事。時系列順に話を進めて参ります。

初日、福岡空港に降り立った後は、JA糸島の直売所「伊都菜彩」を訪問。

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最初だし、久々の福岡だからお手並み拝見〜(((((((((((っ・ω・)っ ブーン

などと鷹を括っていたら、初手からチェックメイト級の一手を喰らいました。

あらゆる食材が、とにかく安い。物が良い。興奮のあまり写真を撮り逃しましたが、釣りもの級の爆裂超鮮度のイカが2杯600円で売られていたりなど、価格設定にバグが生じておりました。

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このキビナゴは買ってその場でそのままムシャムシャと食べましたが、これが旨いの何のって

。ちょろっと醤油垂らして食べようものなら、内臓の苦味とあいまって手が止まらなくなります。

3時のおやつはポテチよりもこちらの方が身体にも良いんじゃないでしょうかね。カルシウムも必須アミノ酸も容易に摂取できますし。

 

その後、午前10:30に到着した糸島の牡蠣小屋。東京にも牡蠣小屋と名前の付くお店はけっこうありますが、発祥はどうやらこの福岡の糸島エリアの様です。

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お酒と調味料持ち込み自由という神仕様。

牡蠣も安くて旨い。とにかく旨い。

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チーズとトマトを乗せても旨い。

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同行者が持って来てくれたアイラモルトを焼けた牡蠣にブッかけて食べたところ、これがまた旨い。異様に旨い。

焼き牡蠣の汁って塩分濃度が高くて、そのまま飲むにはシンドいのですが、アイラモルトをかけてトゥワイスアップにすることで、塩分濃度もアルコール濃度も程良く薄められて、ピート香の効いた実に旨い出汁割りとなるわけです。

そうなんです。これは日本酒のおでんの出汁割りの西洋バージョンみたいなものなのです。

ただ、薄まったからと言って、塩分もアルコールも丸ごと摂取するのだから、どのみち身体には凄え悪いのだろうなあ。でも旨いから止められねえなあ。と思いながらワシワシと食べ進めました。

 

ここの牡蠣小屋はイカ釣り漁師の方が経営されていると言うことで自家製イカの一夜干しもまた甘味があって旨かったです。

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〆にはうどんでしょと言うことで牡蠣小屋の後は福岡うどんの総本山、牧のうどん本店を訪問。

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名物ごぼ天うどんとかしわ飯を注文。

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この麺がヤワッッヤワ!箸で持ったらちぎれるぐらいにヤワッッヤワ!!コシのあるうどん派には噴飯ものの柔らかさですが、これはこれで旨いんです。お出汁もしっかりとパンチが効いていて実に旨い。しかもネギ盛り放題。嬉しくなっちゃいますね。

 

地元の同行者からは、

「このうどんにはオヤジが入っていてね、目を離した隙にハイヨーハイヨー!って、うどんをどんどん補充して来るから気をつけて!」

と言われました。

まさかそんなことあるけえ!うどんにオヤジが入ってるとか質量保存の法則を完全に無視してるじゃぁねえのって(`・ω・´)!

 

と鼻で笑いながら食べ進めていたら、本当に麺が無くならない...汁を吸ってどんどん増殖して行く...姿は見えなかったが、オヤジは確かに実在していました。ハイヨーハイヨー!

 

かしわ飯も旨かったのですが、明らかに飲んだ後の〆に食べる量ではありませんでした。山田うどんみたいな量を想定して行くと、あっという間にやられます。しかも安い。東京圏で言うなら、富士そばよりも安い価格設定。

 

持ち帰りのうどんセットも購入。安いのは良いのですが、なぜうどんが4玉に対してスープは3人前なのでしょうか。謎が深まります。

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今度行くことがあったら、焼きうどんセットを買ってみようと思います。みそソースが気になり過ぎます。それにしても安い。ハイヨーハイヨー!

 

そして翌日、これまた地元住民の確かな情報筋から、「あんくる夢市場」がヤバいと言う情報が提供されており、その真実を確かめるべく久留米市までやって参りました。

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言うて、スーパーだからねえ!そんなねえ!昨日の伊都菜彩みたいにはいかんy...

 

って、えええええええええええええええええええええ!

 

ハタのアラ、安過ぎやせんか....東京で買ったら8,000円ぐらいするんじゃなかろうか...

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シオフキとか売ってるんだ!関東でも採れるけど絶対に流通しないヤツ!

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そして....

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ワケ!もはや正式名称のワケノシンノスと呼ばれずにワケ!

ワケノシンノスをご存知ない方のために解説をさせて頂きますと、イソギンチャクのことなのです。有明海沿岸の方言でワケノシンノスと呼ばれております。

ワケノシンノスとは「若者の尻の穴」の意味で、どうにもこうにもその形状が似ているからとの事です。恐らく名づけ主は当時、数多の子供、若い衆、老人、それぞれの尻穴を見比べ、形状と傾向を分析し、最も近いのが若い衆のそれであると結論づけたのでしょう。昔の人の異常性が垣間見れます( •́ .̫ •̀ ( ⊃*⊂ )

 

このワケノシンノスも、有明海の環境の変化により、最近では数が取れなくなって来ており、だいぶ値段が上がって来ているようです。マハタのアラに見向きもせず、生魚類ではこのワケノシンノスだけ今回はお土産として買って帰る事にいたしました。

 

 

ワケの調理

さて!福岡から持って帰って来たその夜、見るからに鮮度落ちが早そうなので、下処理だけは当日中にやっておかねばなりません。

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生きているのかどうか良く分かりません。

拡大。

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溢れ出る若い衆感

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切って中の砂を取り除きます。あと内臓は取り出した方が良い説と取り出さなくて良い説。どちらもあるようなので、今回は内臓はほとんど取り除いていません。

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この時点でけっこう来るものがありますね。

 

塩で滑りを取ります。

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取っても取っても滑りが無くなりません。またしても質量保存の法則を超越して来ました。牧のうどんのオヤジと言い、福岡にはそう言う力場が働いているのでしょうか。

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3回目にしてシンクが詰まりました。転居後初めての料理がまさかのイソギンチャクで、音速でシンクを詰まらせました。悲しい。そして臭い...

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3回で妥協して塩茹ですることにしました。マジで何回やっても滑りが取れない...

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茹で上がり後

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う゛ーーーーーーーーーーーーん。全く美味しそうに見えない。めくれ上がった内臓がベルセルク使徒の足みたいで、如何ともしがたい気持ちになります。

とは言え、素材の味は確かめてみないといけませんよね。

なのでシンプルに醤油で行きたいと思います。

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う゛ーーーーーーーーーーーーん....

旨くはない.....

磯です。磯。

“磯っぽい”とか、“磯感”があるとか、そう言う比喩表現ではなく、「磯」そのものです。

口に入れて噛み締めた瞬間、「磯」が弾けます。

ナマコっぽいコリコリ感があるのかな〜?と思って噛み締めると、グニャっと言う柔らかさで途端にその期待は裏切られます。

そして溢れ出る「磯」

これは凄いです。

今までに食べたことの無い味。新食感とは正にこのこと。

これは、素茹でで食べるものではないと確信しました。

 

翌日。しっかりと火を通して調理することに。

素茹でしたイソギンチャクに醤油、酒、みりん、生姜を投入して漬け込み

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片栗粉を塗し

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揚げます

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ワケの唐揚げの完成!

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見た目は割と美味しそうですね。

 

さて実食!

 

 

 

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うーん!昨日の素茹でよりはだいぶ食べられる味になりましたね!

強過ぎた磯感がだいぶ穏やかになり、こう言うものと思って食べれば、何とか食べられる個性程度の臭いまで落ち着きました。とは言え、昨日の素茹でが強烈過ぎて、少し苦手意識が出てしまいました。美味しく食べられるかと問われると、ちょっとシンドいです。

 

2品目。

ニンニクを炒めた後、イソギンチャクを投下。

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長ネギとみんな大好きケンコーマヨネーズのガリバタソースを投入。

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イソギンチャクのガリバタ炒め完成!

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ガリバタ炒めはだいたい旨いと言う世の不文律がありますからね。流石のイソギンチャクもガーリックとバターで臭いはだいぶ抑えられるハズ。これで不味いなんて事があったら、これはこの世の理が根こそぎ入れ替わる時ですから。

 

 

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理、入れ替わったーーーーーー!!!

シンドい!!!

これはシンドいぞ!!!!!!

並のガリバタ程度ではイソギンチャクの傍若無人な磯臭を消すことは敵いませんでした!!!

ガリバタの敗北_(┐「ε:)_

そんなことがあるだなんて....

 

さらに翌日。このガリバタ炒めを何とか食べられる仕様にするべく、味噌煮込みにすることにいたしました。

 

味噌、みりん、酒、砂糖を入れて良く混ぜ合わせます。

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生姜も大量に入れます。

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ガリバタイソギンチャクを投入。

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汁気が無くなるまで煮詰めます。

 

転生:イソギンチャク味噌煮込みの完成!

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不安しか無い...

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おおおお!!食べられる!!食べられるぞおおおおおおおおおお!!!

 

ガリバタの時にあれだけ凄まじく残った磯臭がかなり和らげられ、最初からこう言う物だと思って食べれば、そこそこ美味しく食べられる味になりました。

 

多分最初にこの食べ方をしていれば、私も苦手感出なかったでしょうね。

ノドグロの時もそうですし、ハギスの時もそうでしたが、やはり先人の教えは大事です。なぜイソギンチャクがガリバタではなく唐揚げと味噌煮で食べられて来たのか、しっかりと厳然たる理由がありました。

 

いや、凄いですよ。イソギンチャク。まさかこれほどの食材とは。

今回の激烈な磯臭ですが、

 

・そもそも持って帰って来る途中で鮮度が落ちた

・下処理が甘かった

 

と言う可能性も考えられますので、もし次回チャレンジすることがあるとすれば、この2点を注意して臨みたいと思います。本当はもっとクセなく食べられる食材なのかもしれませんし。

 

その後日。

 

吉池で売ってるんかい( ´◔ ‸◔`)!!

無理して久留米で買わなくて良かったじゃんか!そんならマハタのアラ買っておけば良かったわて!

 

でもこれで東京でもイソギンチャクを試せることがわかりましたヽ(ω・ヽ)(ノ・ω)ノ わぁい♪

 

ただ初手の素茹でが強烈に過ぎたので、しばらくは手に入るとしても再挑戦はしないと思われます。日本狭しとは言え、まだまだ未知の食材があることを身を以て学びました。

 

皆さまにおかれましては、クセの無い、推しのイソギンチャク料理があれば、是非ともご教示頂きたく思います。

 

それではまた💨