山と酒と音と飯

登った山と飲んだお酒と聴いた音楽と食べたメシについての備忘録

イルカを買って調理した話

コンバンハ。昨日から立て続けに更新します。漸く書くべきコンテンツが現在に追いつきました。

10月28(土)に、ブログ『野食ハンマープライス』の執筆者の茸本さんが主催する“野食会 in 焼津”に参加して参りました。

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その時の詳細等々は、茸本さんがブログで紹介されていらっしゃるので、そちらをご覧頂けたらと思います。

野食会2017秋 in 焼津 ご参加いただきありがとうございました – 野食ハンマープライス

 

そして私、その焼津までの道中で、静岡が地元の方に案内をして頂き、自分用のお土産に食材を仕入れて参りました。

それがこちら

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イルカで御座います🐬🐬🐬

 

はい。何処からどう見ても紛う事なきイルカで御座います🐬🐬🐬

 

静岡県の東部を中心に昔から食べる習慣はあったようで、今では静岡で獲る事はなくなったものの、岩手県辺りから仕入れて食べる習慣は根強く残っているとの事です。

 

いや、恥ずかしながら、私今回静岡のイルカ食の文化を初めて知りました。まだまだその地域に行かねば分からない、地の食文化は沢山ありますね...

 

と言う事で、食い意地の張っている私は、調理方法も知らぬまま迷わず購入した次第です。

 

さて、いざ食べようと思いまして、色々とグーグル先生にお伺いを立てて調べてみたところ、イルカは味噌煮にするのが一般的な食べ方のようです。

 

なるほど、やったろやないかい!

 

と言う事で、まずは解凍を兼ねて、水に晒して血抜きをする所から始めます。

どうもかなり血とアクが強いらしいので、水が赤くなったら何度も水を変えた方が良いとの事。

 

1回目 

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赤い

 

2回目

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赤い

 

3回目

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赤い...

 

強い。強いぜイルカ肉...水族館で見られる愛らしさの下にこんなに強いアクがあったとは...🐬🐬🐬

 

しかも、良〜〜く見ると血だけでなくてかなりの量の脂も水に浮いているのです🐬🐬🐬

 

本当はもっとやるべきなのかもしれませんが、此処で見切りをつけて、ひとまず水に晒すのはおしまいにします。

 

そして、根菜類と合わせて煮込むとの事なので、蓮根、牛蒡、人参、生姜、蒟蒻を適当な大きさに切ってスタンバります。

 

次に、水に晒して血抜きしたイルカ肉を、茹でこぼしてさらにアクを取り除くとのこと。

これも何回かやった方が良いとのことです。

やって行きましょう。

 

1回目

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おっ

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おおっ

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おわあああああああ!!

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なんだこの量の血とアクはっ!!

3回も水に晒したのにこんなに出るものなのかっ!!

 

慌てて火の勢いを弱めた後、ザルにあけます。なかなか強い獣香。

そして、水洗いして表面の汚れを取り除きます。

この行程を繰り返すこと計3回。

流石に2回目以降は此処まで強いアクは出ませんでしたが、なかなか手強いヤツでした...

 

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そして先ほどの切り分けた根菜類と共に水から煮て行きます。

完成品はイルカ味全開なので、出汁は入れても入れなくても良いと言う説もありましたが、今回は申し訳程度に出汁の素は入れました。

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そして、此処で今回の最大の反省点。水の量が多かったです。後で地元静岡の方から

「もっとドロっとした感じにして食べる。」

とご指摘を頂戴しました。

私が今回作ったのは割と豚汁に近いサラサラ感です。

とは言え、後戻りは出来ないので今回はこれで行きましょう。

味付けは、酒、塩、砂糖、醤油。

途中アクを取り除きながら、全部に火が通るまで煮続けます。

 

そして、火を止める直前に味噌を溶き入れて、いちおうの完成です。

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見た感じ、だいぶ豚汁ですね。

 

肝心の味はと言いますと、黒い骨付き肉の部分は、少し強めのクジラ肉と言った感じで割と美味しく頂けました。懸念されていた臭みは、気にならない程度まで薄まっておりました。

 

3回水に晒して3回茹でこぼすと言うのは、ある程度正解に近かったのかもしれませぬ。

 

そしてもう1つの、この皮下脂肪の部分

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 ここは、これだけ茹でこぼしてなお、かなり力強く獣臭がありました。

例えるなら、めちゃくちゃ力強い牛脂を食べているような、そんな力強さです。

多分これ以上は臭いは薄まらないでしょうから、こう言うものだと思って食べた方が良いのかもしれません。

上に付いてる白い皮の部分は臭みもなく、コリコリした食感で美味しく頂けました。

やはりこの部分を美味しく食べる為には、サバの味噌煮やモツ煮込みのように、かなり濃い目の生姜を効かせた味噌ダレに合わせるのが良いのかと思います。

これも、1度ちゃんとしたイルカ煮を食べてみないと分からない所ではあります。

 

おまけでもう1つ買って来たイルカが↓こちら

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イルカすまし で御座います。

蒲原が本場の食べ物で、イルカの背びれや尻尾を水に晒した後、茹でて塩を振った珍味とのこと。

 

ポン酢をつけてこのまま食べられるとのことで、まずはそのまま食べてみます。

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うむ。クニュクニュした弾力の中に若干の獣臭と塩っ気があって、いわゆる珍味です。ポン酢の酸味に合いますね。

 

食べ慣れないとちょっと獣臭が強いかなとも思ったので、ごま油で炒めて香りをアップデートしてみました。

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あんまし見た目変わらんですけど。

 

ごま油の香ばしさで、獣臭が和らいで大分食べ易くなりましたね。なおのことポン酢が合います。

これに合うお酒ってなんだろな〜。

この塩っ気から、焼酎ロックか日本酒かって感じが致しますね。日本酒なら冷やの特別純米の生原酒とかのどっしりしたヤツでしょうかねえ(知った口)

 

と言うことで丸2日かけてイルカを堪能致しました。

次にイルカを手に入れる機会があったら、次こそは本場の味に近いと思われる、ドロっとした感じの味噌煮に仕上げようと思います。

 

清水の方にお出かけになられた際には、是非ともお試しくだせえ。

清水のおさかなセンターのような、観光客向けの所でも買えます。しかも割とリーズナブルなお値段で。

 

関東からかなり近い静岡でさえ、これだけ独特な食文化が残っているのだから、日本全国津々浦々、まだまだ知らない食文化があるのだろうと思います。

引き続き面白そうな食材を見かけたら手に入れて行こうと思います。

 

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