(やや)鹿ラーメン
先日頂いた鹿の背骨を煮込んだ汁なのですが、
まだ半分ぐらい余っていたので、もう一品作ろうと思いました。
折角なので、冷蔵庫の中に備蓄していた食材も一切に放出するのも兼ねて。
それではやって行きましょう💨
カリブ(冷凍庫)に眠る夢たち
目を覚ませ
時が来た
永遠の眠りの中
煌めく
エメラルド
僕は行k
合唱曲に合わせてダイジェストでお届け致しましたが、スープに使った素材は鹿汁、ノドグロのアラ汁、乾燥ポルチーニ、干し椎茸、生ポルチーニ(ヤマドリタケモドキ)本体、昆布、ショウガ、ネギ頭、貝柱缶詰。
本当は貝も活けのものを使いたかったのですが、近所のスーパーに売られていなかった為、缶詰で代用。貝柱の缶詰でも結構な旨味が出るので貝出汁が欲しい時には割と良く使っています。
酸辣湯とか作る時とか便利です。
ノドグロのアラは今年の始めに頂いたものを煮詰めて冷凍保存しておきました。
昆布と干し椎茸と乾燥ポルチーニは冷水で1〜2時間程度戻した後、加熱。
70℃〜沸騰させない温度で1時間程度加熱し、昆布は取り出します。
後は全体のバランスを見ながらショウガをやや強めに入れてスープは完成。
醤油を入れていないのに、既に完成品の様な色合いです。
次は焼豚。
みんな大好き、近所の生鮮地雷スーパーの特売メキシコ産豚の値引き品を使用。
FIRE🔥
部下と豚肉には徹底的に圧力をかけろと言うブラック企業の尊い教え。
その間40分。
圧力の後、調味液でさらに煮詰めました。
調味液はいつもどおり醤油、岩塩、牡蠣醤油、酒、ザラメ、みりん、ショウガ、ネギ頭、ニンニク、唐辛子、ハイミー等。
最終的に半日漬け込みました。
カエシ。
基本的には焼豚の漬け汁と同じです。それを濃い目に。
味玉。
熱湯から7分茹でた後、殻を剥いて焼豚と共に半日漬け込みました。
今回の具材のもう一つの主役。牛スジ煮込み。
冷蔵庫の中で使わずに眠らせていましたが、漸く日の目を見る時がやって来ました。
良い食材過ぎてなかなか使えなかったのです。スジとは言え、松阪牛で¥200/gはかなり安いですね。
一口サイズにカットの後、洗います。
茹でこぼし
焼豚の煮汁に入れて煮付けます。
煮上がりました。
素茹でした状態で味見をしてみましたが、脂とコクの塊でした。もはやマルチョウやシマチョウを食べているかの如き旨味。
スジとしてはかなり柔らかい噛みごたえ。ポン酢かけただけでも充分イケます。
漸く終わりが見えて来ました。この時点で既に半日が経過しています。
仕上げにラーメンの上に乗せる脂を用意しましょう。鶏油の代わりに、何処のご家庭の冷蔵庫にもある松阪牛脂を使います。
スライスした後、フライパンで熱して液体状に。
温めた丼にカエシを入れて
麺は中細縮れ麺を使用。
実は製麺機も持ってはいるのですが、なかなかそこまで辿り着いていないのです。時期が来たら製麺もしっかりやってみようと思っています。
諸々の具材を全部合わせ、白髪ネギと海苔をあしらって完成です。
俯瞰
いやぁ長かった!ラーメンは1日仕事です。これを一杯¥600〜¥900とかで出すラーメン屋さんは凄いです。手間のかかり方が尋常でない。
それでは早速頂くことに致しましょう。
・・・
・・・・
・・・・・・
おおおおおお....
暗澹たる世界に一筋の...
一筋の光が....
世界が.....
世界が満たされて行く....
そして今戻って来た...!
あれだけ色々な具材から出汁を取ってヘヴィ級の具を乗せているので、味が喧嘩しないか結構心配だったのですが、全くそんな事はありませんでした。
ビタッ!!!
っと綺麗にまとめ上げられています。
先ずはスープ。ベースの時点で少し甘味を感じていたのですが、そこにカエシが加わる事で甘味が倍化されました。しつこくない、奥行きのある甘味。
そこに牛脂の力強い香りとコクのパンチ力が加わって、著しく完成度が高まっています。
麺は割と感覚で選んだのですが、中細縮れ麺が大正解。旨味は濃ゆいのですが、家系や二郎系の様な濃さではないので、中細縮れ麺が適度にスープと絡んで馴染んでいます。
煮卵と焼豚はいつも通りの安定感。
そして牛スジ煮込み。この力強さがまたラーメンに彩りを加えています。
これらの具材を白髪ネギの清涼感が巧く中和してくれていて、偶然の産物としては出来過ぎなぐらいに、ラーメンとして綺麗にまとめ上げられています。
いや、これは凄い。手間がかかり過ぎるので、なかなか頻繁には出来ないですが。
今回作ってみて特に感じたのは、スープの甘味なのですよね。
イノシン酸(鹿の背骨、ノドグロアラ、松阪牛茹で汁)+グルタミン酸(昆布)+コハク酸(貝柱)+グアニル酸(干し椎茸、乾燥ポルチーニ)と、考えられ得る限りの味の足し算を試みた結果、これらが見事に融和して旨味を創出してくれたのは言うまでも無いのですが、甘味は何処から来たのかと。
牛脂の甘味も考えられはするのですが、旨味成分を投入しまくると、旨味≒甘味に昇華されるのかなと言う仮説を思いつきました。味の素もそのまま舐めると甘味を感じますし。
比較対象として引き合いにさせて頂くのも烏滸がましいのですが、お店のラーメンで1番近い味は、土日の一条流がんこ総本家だったのですよね。
土日は週替わりで、スッポンだったり貝類だったりと、高コストな具材をこれでもかと煮詰めたラーメンを出してくれています。
味は凄く濃ゆいのですが、その中にやはり吸い込まれる様な甘味を感じるスープなのです。
この辺の味覚と旨味の関係性に詳しい方がいらっしゃったら是非ともご教示頂きたく思い候。
落ち着いたら製麺にも取り組んで、ゼロベースでラーメンを作りたいと思います。
ただし本気で取り組むとなると、
「旨いラーメンは先ず土作りから!」
と、麦を育てるところと、
「旨いラーメンは先ず水作りから!」
と、湾に注ぐ河川上流の山に植林するところから始めないといけなくなるので、程良い塩梅でやって行こうと思います🏞
それではまた🌊🌊