タウナギ×ブルーギル×アメリカナマズ
いつもどおりのある日のこと
君は突然DMで言った
「タウナギいりませんか?」
日常会話の中でなかなか使わないし、聞かれる事のない日本語です。
「オレ、この戦争が終わったら結婚するんだ...」
「無事に帰って来たら旨い酒浴びるほど飲もうや...」
「殺人犯と一緒になんかいられるか!俺は部屋に帰るっ!!」
上記の様に、一度は使ってみたいと思いながら使われる事のない日本語例文は多々ありますが、実際に聞かれたと言う時点で、「タウナギいりませんか?」の方がまだ汎用性は高いと言う事が判明しました。
余談ですが、旧知の友人が先日
「親は関係ないだろ!親はぁ!」
を使いたくてもなかなか使う機会が無いと悶えていたので、使うシチュエーションに導いてくれる方を大募集します。
はい、そう言う訳で貰えるものは病気と負債以外はだいたい貰うと言うのが信条の私なので、貰って参りました。
受け渡しの場所は立川の昭和記念公園
フードフェスで賑わうこの場所で、まさかタウナギの受け渡しが行われるなど、主催者でも想像していなかった事かと思われます。
サンクトガーレンの飲み比べと、ソーンブリッジのIPAジャイプールが良心的な価格でとても美味しかったです(๑´ڡ`๑)
それはさておき、タウナギに加えてブルーギルとアメリカナマズの切り身も付けてくれました。
ありがてえありがてえ👏👏
さて、タウナギくんです。生きてます。活発です。1日経ってもこの通り。
捌き方について色々見た所、穴子と同じように背開きにすると良いと。
なるほどなるほど。穴子やったことないけど。
まぁ、なんとかなるでしょう。
先ずは冷やして仮死状態にさせます。
冷凍庫に15分ほど入れてみました。
元気にやってます。
どうすんのさ。
タウナギをくれた割り下嬢から
「氷水に浸した方が早い」
と助言を頂いたので実践します。
氷DAWN.
圧倒的な早さで仮死状態になりました。
漸く捌けます。
息を吹き返す前に、首元を頸椎まで切断して取り敢えず動きを止めます。
血がドバドバ出て来ますが、そんなの気にしていられません。
例によって頸椎を切ってもヌルヌル動きますが、それも気にしていたら捌けないのでドンドン行きましょう。
目打ち串を買いそびれたので、お家にあったドライバーセットで何とかしてみます。
そもそも目があるのかどうかも怪しい生き物なので、場所はだいたいです。
刺した瞬間にブルブル動いてさらに血がドバドバ出て来るので、心を鬼にしてやりましょう。やるしかないです。悪鬼羅刹の修羅と化すのです👹🔪
此処まで割とスムーズに出来たので暴れられる事もなく、解体に取りかかれそうです。
適度に血が抜けたら、背側から背骨の上を滑らすように包丁を入れて行きます。
タウナギくん長過ぎて、まな板からハミ出た尾っぽ付近が少々雑になりました。
中央部の内臓を手で掻き出した後、背骨を包丁で削ぎ落としましたの図。
内臓の量が少なく、且つ臭くないので助かります。
頭を落として綺麗に洗いました。だいぶ食材感出て来ましたね。
皮の滑りが強いので、塩で揉んだり包丁で擦ったり。
やった後で、ウツボの時みたいに酢をかければ良かったと思いました。
次回からそうします。
さて、どうしたものか。
取り敢えず切って
お酒に漬けましょう。
俺、学んだ。川魚、困ったら取り敢えずお酒に浸す。
10〜15分ほど浸けた後、一片は味見でそのまま油敷いて塩焼きに。
見た目ウナギやアナゴ感あって旨そうですね。
それでは実食
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・・・・・・
う〜〜〜〜〜〜ん。
身がすんごい歯応えあってギョリギョリする一方、脂っ気や旨味が薄いです。
そして後味に残る田んぼのかほり( ͡° ͜ʖ ͡°)
そのままは食べない方が良さそうですね。
こう言う時は先人達の知恵に倣って、味付けの濃ゆい炒め物系でやってみましょう。
片栗粉をまぶしてタレの絡みを良くさせます。
ピーマンと細切り筍を先に炒めます。
火が通ったら一度フライパンから出して、タウナギを炒めます。
火が通ったところでタレを投入。
はい、楽しました。取り敢えず今日は味の傾向を知りたいので、タレの配合については手を抜いてます。ご容赦ください。クックドゥ優秀です。
その後、先程炒めた筍とピーマンを加えてタレに絡めたら、青椒肉絲 feat.タウナギ 完成です。
さて、素焼きでは持ち味を活かせなかったですが....
旨ーーーい!!😋
濃い目の炒め物だと先程のギョリギョリ感が周りに気圧される事なく上手く均衡が図られています。
足りない脂っ気も多量の炒め油でブーストされていますし。
そして素焼きの時に感じた僅かな田んぼ臭も見事に掻き消されています。
これは凄い。甘酢あんかけとかにしても多分美味しいです。
白身魚でやるのとはまた違った味わいになりそう。
ウナギの代用にはならないですが、食材としてのポテンシャルは充分に感じられます。
これは積極的に狙って行って良い魚なのではないかと思えます。
ただ見た目がブサカワイイので、ずっと生きたまま置いておくと情が移りそうになるので、潔く屠らないとダメですね。
生命力が強いので、雑にバケツに入れておいても数日は問題ないので、保存も楽です。
今後も色々試して行きましょう。
さて、タウナギくんは無事に終えたので、次はブルーギルとアメリカナマズです。
解凍を終えました。内臓と鱗の処理を終えた状態なので、こちらは楽です。
とは言え、臭いです。
主にブルーギル。
“臭いが鱗と皮に集中する為、お湯をかけてから剥ぐと良い”
と言うような記述がブルーギル調理の各サイトで書かれているので、その通りにやりました。
はい、台所がお湯から立ち昇る湯気と共にブルーギル臭MAXです。
なかなかグレートだぜ...
ブログだと臭いが伝わらないのが何とも残念です。
今後はてなブログでは、ユーザーからの声を丁寧に拾い上げて、臭いが伝わるブログの開発が求められます。
がんばれ日本のエンジニア👨💻👩💻
お湯をかけた後、包丁の背で僅かに残された皮目の黒い部分をこそげ落とし、3枚開きにしました。
とは言えブルーギルは個体がそんなに大きくないので、3枚開きにすると大分小さくなりました。
いつも通りお酒に浸けた後、水気を切って
アメナマ共々、粉をまぶしてムニエルにしてみましょう。
油を敷いたら弱火で蒸し焼きに。
その後ひっくり返して焼き上げます。
はい。調理過程の臭いを考えると色々疑念不安が付き纏いますが、出来上がりました。
頂きましょう。
・・・
・・・・
おおお!ブルーギル旨ーーーー!!
あれだけ調理過程で立ち込めた臭いが無い。全く無い。
なんと上品な白身魚のムニエルなのか!
これは掃き溜めに咲いた一輪のバラ...!
いわば都市河川のシンデレラ・ストーリー...!!
写真には写らない美しさが其処にはありました。
ごめん、ごめんよブルーギル...ずっと疑っててごめん...!!
これからは大事に釣って行くから...!!
と、ブルーギルに対する気持ちを新たにしました。
さて、一方のアメリカナマズ!
こちら、調理過程の臭いの少なさとは裏腹に、割と臭いました!(゚∀゚∀゚∀゚∀゚∀゚∀゚)ァヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
身質はプリプリと弾力あって良い感じなのですが、段々とスーパーの安ウナギの臭いを10倍くらいに濃縮したような臭さが鼻に付いて来ました。
決して食べられないわけではないのですが、日本酒に15分浸ける程度では太刀打ち出来ませんでした。
これの臭いの取り方については今後も研鑽を重ねる必要があります。
やはりフライが無難なのかもしれません。低めの温度でじっくり揚げて中の水分を出させてしまう等。
牛乳漬けとかやってみる価値ありそうですね。
そんな結果から、あまり期待せずに臨んだ煮魚です。
昆布を敷いて、通常の煮魚よりも遥かに大量の日本酒で水から煮ます。
沸騰したら、アクを丁寧に掬い取りながら、砂糖を入れて煮込み、その後、みりん、醤油を入れてさらに煮込みます。
落し蓋をしましょう。
7〜8分煮たら、生姜を一欠片入れ、魚に煮汁をかけつつ、さらに数分煮込んで出来上がりです。
先程のムニエルの前例があるので、あまり期待値が上がらないのですが、食べてみるしかないでしょう。
・・・
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お?
んんんん??
存外旨い....!
泥臭さは抜けきってはいないですが、先程のムニエルよりは戦える水準ですねこれは。
生姜がかなり良い仕事をしています。
煮込むとやや弾力が崩れてホクホクとした食感になりました。
よりウナギ感も出ました。
これ、下処理をもう少しちゃんとやって生姜をガンガン効かせたら、かなり旨い感じになるのではないでしょうかね。
アメナマ煮魚、大いに可能性を感じます。
サッポロの新潟限定酒、風味爽快ニシテと良く合いました。
新潟県民の淡麗辛口嗜好、生魚と醤油文化に合うように、ややドライな仕上がりになっていて、それが醤油味の煮魚になかなか合います。
と言うことで、アメナマは一度に取れる身の量はかなり大きいので、下処理を確立させられれば、かなり優秀な魚になるはずだと思います。
霞ヶ浦周辺の方々の貴重なタンパク源として活躍出来る日が近....くはないですが、面白い魚ではありますね。
残った切り身は翌朝、フライパンで素焼きにして素材の味そのままで仕上げて
白飯、味噌汁、肉じゃが、焼魚と言う、由緒正しい日本の朝食となりました。
メニューとしては由緒正しいのですが、魚の種類が由緒正しく無いのは押し寄せるグローバリズムの影響とお察し下さい。
素焼きに醤油かけただけでも、ブルーギル は充分に美味しく、アメリカナマズは臭いが煮魚の時の3倍増しとなりました。
良かったですね。それではまた次回ˉ̞̭ ( ›◡ु‹ ) ˄̻ ̊